膣ケアの都市伝説!嘘とホントを考える
日本で「フランスは”デリケートゾーンのケア”が常識!」だと言われていると聞いて、驚くことがあります。
膣トレが常識であることは間違いないのですが、デリケートゾーンのお肌のケアまでその範囲が及ぶと、私のように、夫がフランス人であり、長らくフランスで生活しつつ、職業であるインストラクターとしてたくさんのフランス人女性のお身体に寄り添ってきた人間にとっては、ものを申したい衝動に駆られます。
フランスで「膣トレは常識である」ものの、デリケートゾーンのケアに関しては、お肌以前に「VIOの脱毛」と「低用量ピルの使用」が常識だということです。
フランスでは完全にアンダーヘアを処理している女性が非常に多いのです。
そして、その処理方法は、日本のような専用のメディカルサロンや病院で脱毛するのではなく、セルフで市販の脱毛クリームやシートを使って行っている方がほとんどです。
そうなると「何が必要か?」というと、一にも二にも「保湿」になります。いうまでもなく、こういったセルフの脱毛は非常に皮膚が痛みます。
また、フランスは、日本と比べ非常に乾燥した国で、水道水は硬水です。つまり常日頃から保湿が必須なのです。
このことは一度でもヨーロッパ旅行を経験した方ならご理解いただけるでしょう。それと同時に、フランスは非常に良質で新鮮な精油が充実しています。そのため良質で新鮮なケア商品が作りやすく、必然的にデリケートゾーンのケア商品が多くなるのです。
女性は誰もが「デリケートゾーンケアが必要」というわけではない
さらに、フランス人女性の特に都市部の女性は、8割近く低用量ピルの使用をしています。
成人女性の大半は、避妊というよりも、 ピルで生理のコントロールしています。
これはフランスの共働き率とほぼ同じ推移を辿っていますから、こういったデータを見るとフランスのことが別の意味でよく見えてきます。
ご存じかもしれませんが、一般的なピルの副作用として「膣の乾燥」が挙げられます。
ピルを販売しているフランスの薬局で、その目の前の棚にデリケートゾーン専用の洗浄剤や
ケア用品がずらりと並んでいることにもうなずけます。
ですから、「女性としての意識が高いから、フランス人は膣ケアする」というわけではなく、実際のフランスのリアルな現状と事実をご理解いただくと、このことに関しては羨望というより、また違った見方ができると思います。
さらに、日本人である皆さんは忘れてはならないことは、そもそも日本人女性の肌の保湿量は、欧米の女性と比べると圧倒的に高く、日本は非常に多湿な国でもあります。
気候だけなく日本人特有の食生活の影響が日本人の肌質とも関係しています。ですから、VIOをケアしていてもしていなくても自分の毛量や、肌質など自分のおかれている環境や、自分の体質、季節などを冷静に判断してからケア商品を使いましょう。毛も残していて、夏の蒸した日にショーツやパンツで覆われた膣がオイルで保湿されていると考えると、深刻な乾燥を抱えていないなら、お勧めできるものではなくなってしまいます。
また、膣内というのは、非常によくできています。粘液は毛細血管から出てくる分泌液で潤います。さらに膣内はこの粘液によって酸性が保たれ、近くにある肛門や尿道口からの細菌の侵入を防いでいるのですが、排卵期が近づくとその酸度が下がることも分かっています。つまり、同じケア商品をつかっていても膣内に入った場合のことを考えると、ケア商品の肌の反応や体の反応は時期によって異なることが容易に考えられます。
「常にデリケートゾーンのケアが必要」とお考えの方には、それらのことも知った上で、使うものや使う時期を考えてみましょう。もちろん膣の筋トレである膣トレはどんな時期に取り入れていただいても効果がありますよ!
どんなケアが今の自分に必要なのか、を考え始めることから
膣ケアの商品を眺めると、私の個人的な意見でいうと、「これはお顔に使いたい!」というほど、良質な成分、良質な配合、無添加で、しかもなかなかあり得ないほどの鮮度の高いものが目立ちます。精油など自然由来のものほど、その鮮度が重要です。ですから膣ケア商品に悪いものがあるとは到底思えません。肌に使うものとしては、ある意味、最も信頼のおける商品が多いカテゴリーのような気すらします。
けれども、それが膣という場所に限定すると、「日常的に使うものとして万能か?」と問われると、私は答えられません。それは前述の通りです。デリケートゾーンのケア商品をどれにするか?ということに以前に、「ケアはどういった肌の状態、季節に自分にとっては必要なのか?」ということをまずは考えることから始めてください。
この記事を最後まで読んでくださっている方、つまりデリケートゾーンのケアに興味をもつ女性というのは、自分の深部や軸の部分のケアこそ必要なのではないかという、非常に重要な視点を持っている方だと思います。だからこそ、広い視点をもって膣ケアの意義全般を見ていただくことが重要です。
いずれにしても、 膣周辺のアンチエイジングに最も安全で有効な根本ケアになりえるのは膣ケアではなく膣のトレーニングである「膣トレ」です。
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