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オンもオフもずっと一緒。共に過ごす時間が長くてもうまくいく、ぐっち夫婦の「スイッチの切り替え方」

家族・人間関係

 ぐっち夫婦

2020.12.12

夫婦の数だけ、夫婦の形があります。多様なパートナーシップのあり方を紹介することで、これからの夫婦の時間をより豊かに前向きに過ごして欲しい。「夫だから/妻だから、こうしなければいけない」と思い込むことをやめて、もっと自由に、夫婦という"一番近い、他人との関係性"を楽しんでほしい。そんな思いから、saitaでは11月22日の「いい夫婦の日」を機に、インタビュー連載企画「夫婦は続くよ、どこまでも」をスタートすることになりました。今回は、夫婦で料理家として活動するぐっち夫妻にインタビューしました。

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特集:夫婦は続くよ、どこまでも

Instagramアカウントのフォロワー数約70万人。YouTubeチャンネルの登録数は約4万人。夫婦料理家として、注目を集めている“ぐっち夫婦”をご存じでしょうか。コロナ禍の今、一緒に過ごす時間が増えたことで、世の中の夫婦の形、絆に変化が起きています。“ぐっち夫婦”として活動をするお二人は、以前より共に過ごす時間がとても長い夫婦。そんなお二人に、ぐっち夫婦としての活動や普通の夫婦としての日々について聞きました。

結婚を意識したのは、SHINOさんのお弁当がおいしすぎたから

――ぐっち夫婦としての活動を拝見していて、お二人は長く連れ添っているご夫婦というイメージを持っていたので、結婚3年目というのに驚きました。お二人の出会いや第一印象について聞かせてください。

Tatsuyaさん:同じ職場の同僚として出会ったんです。お互いに中途入社で、SHINOさんが僕より半年先に入社していました。部署は違ったのですが、背中合わせの席で仕事をしていたのが僕たちの出会いです。第一印象は、笑顔がステキな人だなぁでした。

SHINOさん:入社してきて2日目に、突然自分のデスクでケトルを使ってコーヒーを淹れはじめたんです。それだけでもびっくりするのに、「飲みますか?」って、みんなに淹れたてのコーヒーを配っているのを見て、変わった人だなぁと思ったのが第一印象です(笑)。

Tatsuyaさん:僕は新しい環境にすぐ馴染めるタイプで、SHINOさんは、少しずつ相手のことを知りながら距離を詰めていくタイプなんです。

――そんなお二人が、お付き合いをして結婚を意識したのはどんなタイミングだったんですか?

Tatsuyaさん:初めてのデートに塩麹のそぼろ弁当を作っていきました。それを公園で一緒に食べたんですが、その次のデートのときに、今度はSHINOさんが「カオマンガイ」のお弁当を作ってきてくれました。それがめちゃくちゃおいしかったんです。それまで、自分より料理が上手な人と出会ったことがなかったので驚いたのですが、僕はそのときに結婚を意識したかもしれません。

SHINOさん:お互い実家住まいをしていたので、お付き合いをして比較的すぐに一緒に住み始めました。そのタイミングでお互いの両親にも挨拶をしていたので、この先に結婚があるんだろうなというのは思っていました。

Tatsuyaさん:僕、わりとぐいぐいタイプなんです。SHINOさんはもう少し時間をかけようと思っていたみたいなんですが、僕のペースに巻き込みました(笑)。どうしてか忘れちゃったけど、プロポーズする日にハンバーグを作ったんです。ロゼのワインも用意してプロポーズをしたら、「えっ!」って感じで驚いてたよね。

SHINOさん:思っていたより早い展開だったのでびっくりしました(笑)。でも、一緒に住みはじめたときから結婚前提だったし、結果的にぐいぐいと彼のペースで進めてくれてよかったと思っています。

夫婦で始めたInstagramがSHINOさんの夢を叶えるきっかけに

――結婚したころは、お二人とも会社員としてお仕事をされていたそうですが、ぐっち夫婦として活動をするきっかけはなんだったのですか?

Tatsuyaさん: SHINOさんはもともとInstagramをやっていたから、料理を作ったらSNS用に5分くらい撮影をするんです。当時、僕はそういうことに慣れていなかったから、料理が冷めることにストレスを感じていたことがあって……。ストレスになるくらいなら一緒に撮影をしようと思って撮り始めてみたら、僕の方がはまっちゃったんです(笑)。それが、二人でInstagramをはじめたきっかけです。

SHINOさん:今もそうですが、普段私たちが作っている料理や食べているものを掲載しているアカウントが、二人で料理家として活動をするきっかけになるとは想像もしていませんでした。

Tatsuyaさん:SHINOさんの夢が料理家だったので、ぐっち夫婦としてのInstagramの投稿でSHINOさんの夢が一つ叶いました。夫婦料理家というのは想像していなかった道だったかもしれないけど(笑)。

SHINOさん:今の生活は、結婚したときには想像していなかったものだけど、こうして夫婦として活動する機会を得たので、料理を通していろんなプラットホームを持って、いろんなことを伝えていけたら良いよねという話をよくしています。

夜の散歩とゲームに夢中になる時間が、二人にとって大事な時間

――ぐっち夫婦として、お二人で活動するということは、世の中の夫婦と比べると一緒にいる時間が長いと思います。お仕事時のぐっち夫婦と、オフのときのぐっち夫婦に違いはありますか? スイッチの切り替えはどのようにしているのでしょうか。

Tatsuyaさん:僕は、ぐっち夫婦としてスイッチが入る瞬間みたいなものがあります。普段は下の名前で呼んでいますが、仕事モードになると「SHINOさん」と呼んでいます。とは言っても意識的にオン・オフにするということはないかな。週に何回か、二人で夜の散歩をするんですが、外の空気を吸いながら歩くことで頭もクリアになるし、家ではしない会話をしたりするので、この時間がけっこう大事だなとは思います。

SHINOさん:お散歩をしていると最終的にスーパーに行って食材を見たり、レシピのアイデアを話したりすることが多いです。普段から料理のことを中心にコミュニケーションをたくさん取っていますが、最近は2人で同じゲームにハマっていて、その時間は仕事の話は一切せずにゲームに夢中になって楽しんでいます。

――すごいですね。二人で一緒に過ごしながら、オン・オフをするというのはそれだけ一緒にいることが自然だということですもんね。ところで、一緒にいるとだんだん似てきたところがあったりしますか?

Tatsuyaさん:僕は、SHINOさんからたくさんいい刺激をもらっていると思っています。彼女は本当に人に優しくて、相手がどう思うかということを常に意識しているし、関わる人たちがハッピーになることを考えているんです。一緒にいることで、僕もそういうことを意識するようになってきました。だから最近は僕の中にSHINOさんらしい優しさが芽生えてきた気がします(笑)。

SHINOさん:私は、石橋をたたいて渡るタイプで、何をするにも慎重派なんです。逆に彼は、考えるよりまずはやってみるというタイプ。最初はその感じに戸惑うこともあったんですけど(笑)、最近は私も「やってみないとわからない」という感覚になることが増えました。そういうところが似てきたのかもしれないです。

Tatsuyaさん:料理で言うと、以前は肉メインの料理ばかり作っていたんですけど、野菜を使うようになりましたね(笑)。僕たち、お互いの料理を否定したり、味を変えたりすることはしないんです。好みの味は真逆だったりするんですが、お互いの味付けが歩み寄っているようなイメージがあります。もともと、お互いが作る味をリスペクトしています。

お互いの得意不得意を補える最強のタッグ

――一緒にいる中で、相手の好きなところ、尊敬しているところを教えてください。

SHINOさん:ネガティブな思考がないところかな。私たちの会話はポジティブなことが多いです。相手を否定するようなこともないし、意識的にでも未来についてポジティブな会話ができるところが好きだし、尊敬しています。

Tatsuyaさん:SHINOさんはいつも笑顔なんです。会ったときからどんなときも笑顔。怒ったところを見たことがないです。これって、なかなかできないことだと思うから本当にすごいなぁと思います。あともう一つすごいなと思うのは、いつでも料理のことを考えていること。僕はお腹がいっぱいになったらレシピのことを考えられないんだけど(笑)、SHINOさんは、寝る直前まで考えてるんです。

SHINOさん:寝る前に新しいレシピのことを考えながら寝ると、朝起きた瞬間にレシピがおりてくることがあるんですよ(笑)。起きて、そのまま実際に作ってみたりすることもありますが、寝る前に考えるというのが私には向いているのかもしれないですね。

Tatsuyaさん:彼女にとって、この仕事は天職なんだろうなと思います。僕たちは性格は正反対なんですが、大事にしている部分は交わっていて、得意不得意の部分がお互いにカチッとハマっているので、最強のタッグだなと思っています。

――SHINOさんが怒る姿って想像できないですもんね。ということは、お二人はケンカもしないんですか?

Tatsuyaさん:Instagramにもよく「ケンカはしないんですか?」というコメントをもらうんですよ。言い合いするようなことはなくて、僕が一人で子どものようにイライラしていることはあります。そういうときSHINOさんは、「勝手に怒ってなさい」みたいな感じで良い感じでほっといてくれます(笑)。

SHINOさん:ケンカはしないですが、お皿洗いや洗濯物を畳むのをやってほしいなぁと思って「私ばかりやっているよ~」と言ったりすることはありますよ。料理はお互い好きでやるけど、料理以外の家事の分担についてはいろいろと思うことはあるんです(笑)。

Tatsuyaさん:気をつけます(笑)。よく届く相談では、旦那さんが「おいしい」と言ってくれないとか、食に関することが多いです。料理を作るのって手間がかかっていることだから、「ありがとう」や「おいしい」の一言があるだけでも違いますよね。僕たちのレシピを作ったら、旦那さんが「おいしい」と言ってくれるようになったという声をもらうと、ささやかながら、夫婦円満のお役に立てているかなと嬉しくなります。

SHINO:「ありがとう」と伝えることって大事ですよね。夫婦って、つい「言わなくてもわかるでしょ」となってしまうけど、意識的に気持ちを伝えるだけでも違ってくるんだろうなと思います。それでケンカが減ることもあると思います。

Tatsuyaさん:あと、僕たち夫婦は料理という共通のコミュケーションがあるのも大きいなと思います。

――最後に、夫婦として活動するお二人にとって「夫婦」とは、なんでしょうか。

Tatsuyaさん:夫婦とは……。なんだろう。僕は、夫婦とは友達でありパートナーという感じかな。すごく対等な立場で常に楽しいことをしていたいし、家族であり友達みたいな。お互いを大切にして、尊敬しあいながら寄り添えたら良いなと思います。

SHINOさん:私は、夫婦とはお互いの人生を大切にしあえる関係だと思います。そして、そうなれたら良いなと。一度しかない人生だから、その人生を思い切り楽しみたい。私たちは夫婦として活動させてもらっているので、夫婦人生を2回生きているような気もするんです。

お二人が結婚したことで、SHINOさんの料理家の夢が叶ったというお話、とっても素敵ですよね。夫婦とは、一緒にいることでお互いを高めていける存在であると思うのですが、ぐっち夫婦はまさにその象徴のようなご夫婦ですね!

お話を伺ったのは…ぐっち夫婦

Tatsuyaさん(夫)

料理家。料理を口に入れた瞬間の美味しさを大切に、ごはんのすすむ料理や一品ものが得意。30か国以上訪れた経験をいかし、現地の味再現も得意とする。料理家活動の他、企業のマーケティングや新規事業立ち上げ等のコンサル業務に携わる。また動画制作スクールの運営を手掛ける。

グッチ夫婦出典:gucci-fuufu.comTatsuyaさん

SHINOさん(妻)

料理家/栄養士/フードコーディネーター

家庭料理を今どきに、作り手に寄り添ったレシピに定評がある。幼少期、実家が八百屋を営んでいたことから野菜好きに。健康的な彩り華やかな料理を得意とする。

食品メーカーや食メディア、食品宅配ECを手掛ける企業に勤務しながら、様々な料理家さんの現場経験を経て、独立。料理家活動の他、個人でフードスタイリスト、栄養士、企業の商品・メニュー開発業務に携わる。

グッチ夫婦出典:gucci-fuufu.comSHINOさん

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