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「別居」は互いを成長させる、信頼と自立のベストな選択。「なかよし別居のすすめ」松場登美さんインタビュー前編

家族・人間関係

2021.04.23 更新

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特集:夫婦は続くよ、どこまでも

―――そこで大吉さんと出会うわけですね。
少し話が飛びますが…現在、登美さんと大吉さんは歩いてすぐのところで別居生活をされていますよね。もしかするとアパートで隣同士だったときの、その「距離感」がおふたりにとって一番心地いいのかもしれませんね。

登美さん:そうですね。どちらかの部屋でよく議論をしていて、意見を戦わせるうちに「この人の人生を見てみたい。」と思うようになったんです。長女ができて結婚をしたのですが、夫は自由奔放で、結婚前と何ら変わりなく過ごそうとするんですが、不安になったり不満に思ったりすることはありませんでしたね。疑い始めたらきりがありませんもの。

信じる、ではなく「信じ切る!」

大森町を自転車で。夫や家族との心地よい距離感は、あたたかなこの町で育まれている。

―――本にも書かれていましたがアンデルセンの「腐ったリンゴ」の話が象徴的です。

登美さん:馬を持っていたお父さんがあれこれ人に言われて物々交換をしているうちに、腐ったリンゴを持って帰ることになってしまって…でも、奥さんは「あなたのすることはなんだって素敵」というんですよね。考え方や性格は違っていても、大切なのは「信じ切る」ということでしょうか。

―――信じる、ではなく「信じ切る」ですか…。

登美さん:どんな占いを見ても、大吉さんとはとても相性がいいんですよ。「夫のしし座と私のいて座、そして夫のO型と私のA型はやっぱり相性がいい!」とか思って信じちゃうんですね。(笑)相手のことも、相性も占いも信じ切るといいんですよ。

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文化祭でヒット商品を生み出したり、積極的に部費の増額を校長先生に直談判するなど、恩師との出会いにより、自分の存在価値を見出した高校生の登美さんは、力強く歩み始めました。その確かな足取りは今も衰えず、険しい道や急な坂道も軽やかに越えてゆきます。そう、その名の通り、登美さんは人生という山を登り続ける美しくパワフルな女性…そして「占いの相性を見て笑顔になる」乙女な一面もまたとてもチャーミング!
後編では、妊娠、結婚から島根への引越し、起業、なかよし別居に至るまでのお話をうかがいます。

お話を聞いたのは…松場登美さん

1949年、三重県生まれ。1974年に松場大吉と結婚。1979年からスタートした「BURA HOUSE(ブラハウス)」ではデザイン、製作を担当。1994年に立ち上げた「群言堂」では、デザイナーとして素材にこだわった体にやさしい服を提案している。2001年、大森町内の武家屋敷「阿部家」を買い取り、2002年に引っ越し、大吉とは別居生活に。2008年、「暮らす宿 他郷阿部家」と名づけ、宿泊施設として営業を始める。2011年、株式会社「石見銀山生活文化研究所」の代表取締役に就任。2018年には10軒目の古民家を再生し、一棟貸しの宿「只今加藤家」をオープンさせる。著書多数。

取材と文:みやむらけいこ 

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