夫婦の議論は論破したほうの負け
夫婦で意見が対立することもあります。たとえば、遊園地に行きたい妻と山でキャンプしたい夫というように。こうしたときも、「結論」にとらわれ過ぎると、家族みんながつまらないという「結論」に達してしまいがち。
それは、遊園地かキャンプかという選択肢にこだわって相手を「論破」しようとしてしまうことで起こります。
論破はされたほうに、モヤモヤが必ず残る。そのわだかまりを抱えたままで、キャンプに行ってもちょっとのトラブルで不平不満が爆発します。一見楽しそうに見えて、それは「楽しい風」という綱の上に乗っているだけかもしれません。
でも、論破した方は「楽しく過ごす責任」一手に担うことになります。結局、論破されたほうは自由に不平不満を言える立場になり、論破したほうがみんなを楽しませる責任を負うことになる。
つまり、どの結論であってもみんなそこそこ不幸、ということになりがちなのです。
これは別に、遊びに行く場所に限ったことではありません。
大きな決断になればなるほど、論破は危険と思ったほうがいいでしょう。
こうした場合も、やっぱり結論よりも対話の過程にこそ意味があります。
お互いの価値観の違いに橋をかけるように、話を聞き合う。相手側の話をじっくり聞き、こっちの話もじっくり聞いてもらう。
案外、それだけで「じゃあ、今回は遊園地にしようか。でも次回はキャンプにしよう」というように納得感が生まれたり、「海でバーベキューにしよう」と全然違ったアイディアが出たりするものです。
それがなぜかと言うと「対話は関係性を築くものだから」です。
だから、結論よりも過程(対話そのもの)にこそ、意味があるのです。
ビジネスでは「結論」でも、家庭では「対話そのもの」に価値がある
そうはいっても相手がビジネス脳全開だと「結論から言って」「その話は結局何が言いたいの」とピシャリとやられることもあるかもしれませんね。
対話そのものを楽しめないというのは、なかなか辛いものです。
そういう時、相手は「結論」よりも「何についての話なのか」がわからず、どう話を聞いたらいいか不安なだけです。
「買い物にいったときの話なんだけどね」「子どもの学校の話なんだけどね」と何についての話がはじまるのかがわかれば、相手も安心して話を聞いてくれるようになると思いますよ!
三木 智有
NPO法人tadaima!代表 日本唯一の家事シェア研究家 子育て家庭のためのモヨウ替えコンサルタント。初の著書『家事でモメない部屋づくり(ディスカヴァー・トゥエンティワン刊)』は好評発売中!
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