ビジネスでは良しとされる「結論から」の話し方が家庭では良くない理由
けして仲が悪いわけではないけれど、夫(妻)のことがわからない……! 分かり合えなくてイライラする、悲しい、そんなときだってありますよね。
saitaPULSの読者の方は女性のほうが多いので、女性向けに、男性のぼくから「男性ってこんなこと考えているかも」とお伝えしていく「夫のトリセツ」は今回で3回目。
(第1回)夫のトリセツ:夫は教育したり育てたりすべき存在か?
(第2回)夫のトリセツ:「夫元気で留守がいい」?パートナーは「いないほうがラク」だと思ったら
今回は夫婦のコミュニケーションについてです。
男性側がよく言う言葉「結論から話して」。この話し方、家庭においては「適切ではない」とぼくは思っています。
ビジネスでは良しとされる「結論から」の話し方が家庭では良くない理由はなんでしょうか。
結論からお伝えすると(笑)「夫婦の対話は、”過程”が9割」だからです。
この「過程」を大事にしないと対話になりません。なので、家庭内のコミュニケーションは「結論から」がダメなんです。ではなぜ、夫婦の対話で結論よりも過程のほうがずっと大事なのでしょうか?
常に”結論”が必要なわけじゃない
「夫との対話がいまいち噛み合わない」って話をよく聞きます。
これは夫側も同じで、やっぱり妻との対話が噛み合わないって思ってる。
長く一緒にいる家族ですから、対話が噛み合ったほうがいいし、それに楽しみを感じられたら言うことなしです。
そこでよく言われるのが「結論から伝えるようにしましょう」ということ。ビジネスでは良しとされるこうした対話方法に対して、ぼくは「そうじゃないだろ!」と思っています。
「結論から伝える」は主に妻が夫に話をするときにその方が「伝わりやすいから」という理由で言われます。WEB記事や、企画書なんかもそうですね。この記事も「結論から」入りました。
なぜそうするかというと、人は人の話を最後まで聞かないからです。記事だったら全部読んでもらうのって、実は至難の業で、だから結論を最後に持ってくるとそこまでたどり着いてもらえない。
でも、夫婦や友人との普段の会話に「結論」なんて必要でしょうか?
対話とは、「新しい関係を構築するもの」(※抜粋「他者と働く」宇田川元一著 )です。
つまり相手と自分との間にある溝に橋をかけていくような作業。子どもの成長や、ママ友との出来事、スーパーで食材が安く手に入った話。こうした話にはべつに結論はありません。
自分が驚いたこと、楽しかったこと、悲しかったことなどを共有しあうことにこそ、意味があるのです。
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