教えてくれたのは……マインドトレーナー 田中よしこさん
株式会社コレット代表取締役。心理学・脳科学、コーチングの知見を取り入れ、「自分を本当に知る」ことをメソッド化。個人セッションやセミナーなどを中心に、潜在意識を整え、本心と「未来の理想の思考」を引き出す方法を伝えている。著書に『自分の気持ちがわからない沼から抜け出したい』(KADOKAWA)がある。
自己肯定感が高いと幸福度も高くなる理由
自分へのダメ出しをしないから
自己肯定感が高い人は、何かあってもそれを自己否定の材料にしません。反対に自己肯定感が低い人は、何かあった時に「やっぱりうまく行かない」「自分はダメなんだ」という結論にもっていきます。
前提としてダメだと思っているのか、いつかはうまく行くと捉えているのか、違いがあるのです。
自己肯定感が高い人の捉え方は「今はうまく行かないだけだ」「今はこの人とは意見が合わないだけ」と、期待通りになっていない事実を受け止め、“今できることは何か”を考えます。
人や物事が期待どおりにうまく行かなくても、自己肯定感が高ければダメージが無く、幸福度は変わらず高いまま過ごせるのです。
人間関係がうまくいくから
自己肯定感が低いと、“人からどう思われるのか?”がつきまとうため、人間関係の構築がうまくいきません。引け目を感じたり、罪悪感を持たないので、気持ちよく過ごす時間が少ないのです。
自己肯定感が高い人は、シンプルな事実で人と接することができます。
「あなたはそう思った」「私はこう思った」「そういう考えの人もいる」「機嫌が悪いときもある」
自分と相手の間に線引きをして、相手の言葉に対して不安を感じずに済みます。
結果、他人の長所に目がいきやすく、人が好きだと素直に思えるように。
そのため、自己肯定感が高い人と一緒にいると、自分も気持ちがよく安心感があるので、人間関係が安定して長く続きます。
人とうまく関わる“実感”があるのも、大きな幸福感に繋がるのです。
ストレスの対処法と使い方を知っているから
自己肯定感が低くなってしまうのは、自分に合うストレスの対処法を知らないのも理由のひとつ。
自己肯定感が高い人は、ストレスとの付き合い方や、適度なストレスは人生とっては有益なものだと知っています。
適度なストレスは、脳を活性化するという研究結果が出ています。自己肯定感の高い人は、脳を活性化するようにストレスを上手く使っているのです。
一方で自己肯定感が低い人は、ストレスを感じたら自己防衛をします。この状態が長く続くと、肥満や糖尿病、高血圧に影響が出ることも分かっています。
ストレス解消法として取り入れやすいのは、深呼吸や身体を動かすこと。ネットで検索して答えが見つかった気がしただけで、そのままにしている人はいませんか?
自己肯定感が低い人は、行動に移さない人がほとんどです。自分に合った切り替え方法を「見つける」だけでなく、「行動する」までをセットにしていきましょう。
「〇〇すれば、乗り切れる」「大丈夫だ」という経験や信じ込みは、自己肯定感をさらに高くできます。だからこそ、幸福度も続いてくれるのです。
自己肯定感が高いと精神状態が安定するため、常に余裕があり、自分も他人も受け止めることができます。
精神的な安定は、自分や周りの人にも安心感を与える、ミスも起こりにくくなる、何かあった時も平常心で対処ができる、というように人生に良い循環が生まれます。3つのポイントをぜひ日々に取り入れてあげてくださいね!