家事育児と仕事の両立、長距離走のと短距離走の違い
子育てと仕事を両方同じように持ち続ける人生と、できるときに家事育児を手伝う人生は、同じ「両立」という人生でも全く違う競技になる、ということです。人生の大変さは「両立」という競技だけで成り立っているわけではないのだから、べつに優劣をつけたいわけではないんです。
問題は、その両方がときに同じ競技として扱われてしまうことにあるんじゃないか、と思ったというのが今回のお話です。
いわゆる女性が担いがちな「子育てと仕事を同じように持ちながら生きる」ということについて、これは競技ならマラソンと言えます。
常に全速力で走っているわけではない。人によってはのんびりと楽に走っているようにすら見えるかもしれない。
ときに自分だって、意外と大変じゃないかもと勘違いしてしまう瞬間だってある。
だけどその状態がずっと続く。立ち止まることも、休むことも許されない。そして道には上り坂もあれば、下り坂もある。
一方で世の中的には男性は「まれに」の家事育児のコミットになりがちです。週に1日、2日。ときにひと月、ふた月の両立コミットとは、乗り越えるための戦略も計画も何もかもが違うんです。
なのに1日お迎え~寝かしつけしただけで「俺だってできる(ドヤ)」なんて言った日にはパートナーから心底冷めた目で見られるのをどうして止められるでしょう。
週末につくる料理と、平日毎日つくる料理は競技が違う。
週末には時間にゆとりのある中でつくり、団らんを楽しむ料理をつくることができるかもしれません。
でも平日の料理は、ぐずる子どもを連れた買い物から、自分も疲れて時間もない中、連日のメニューを鑑みて栄養を考えて、手間がかからないように考えて、最短で作り終える料理(ついでに子どもの水筒や弁当箱などの洗い物も地味に負荷がかかる)。
どっちも大切だが、競技が違う。
そこはしっかりお互いに理解したほうが良さそうです。
週に1回だけ、仕事の調整をしてお迎えに行くのか。
週に1回だけ、調整しなくても働ける日があるのか。
基本的な仕事への関わり方がまったく違ってくるのは、必然的です。