教えてくれたのは……マインドトレーナー 田中よしこさん

株式会社コレット代表取締役。心理学、脳科学、コーチングの知見を取り入れ、「自分を本当に知る」ことをメソッド化。個人セッションやセミナーなどを中心に、潜在意識を整え、本心と「未来の理想の思考」を引き出す方法を伝えている。『モヤモヤしない考え方』(ワニブックス)/最新刊『私は私を幸せにできる』(KADOKAWA)がある。
5月にゆらぎやすい自己肯定感。幸福度を下げないために取り入れたい「5つの整え方」
新しい環境に少しずつ慣れ、周囲の状況が客観的に見えてくる5月。「このままでいいのかな」という漠然とした不安や、理想と現実のギャップに戸惑うのは、あなたが新しい世界に真剣に適応しようと一歩踏み出した証拠でもあります。
この時期にゆらぎやすい自己肯定感を健やかに保ち、幸福度を下げずに“今の自分”を支えるための5つの整え方を解説します。
1.理想と現実のズレを「解像度が上がった証」と捉える
4月のスタート時は、どうしても期待や理想が先行しがちです。5月になってふと感じる「思っていたのと違う」という違和感は、実は少し慣れてきたからこそ見えてくる現実に気づけるようになったサイン。これは、現実をより正確に捉えられるようになった、観察力の向上を意味します。
幸福度が高い人は、このギャップを“脳が情報を更新している証拠”として前向きに受け止めます。「理想通りにいかない自分」「期待通りでない状況」を責めるのではなく、 「現実の解像度が上がったから、より具体的な対策が立てられるようになった」 と視点を切り替えてみましょう。
2.他人との比較を「自分の願いの再確認」に変える
周囲がキラキラして見えたり、順調そうに見えたりすると、つい自分と比較して落ち込んでしまうことがあります。しかし、誰かの輝きに目が向くのは、あなたの中に「本当はこうなりたい」といった願望があるからです。
比較して自分を卑下するのではなく、「自分はあんなふうに評価されたいんだな」「もっと余裕を持ちたいと思っているんだな」と、内側にある望みを映し出す鏡として捉えてみましょう。矢印を“外から内”へ戻すことで、比較による消耗から抜け出し、意識を未来へ向けられるようになります。
3.「過去の自分」という唯一の物差しを持つ
成長を感じられないときは、比較対象を“理想の100点”や“隣の誰か”ではなく、“1か月前の自分”に固定してみましょう。 4月の初め、緊張して挨拶もままならなかった自分。右も左も分からず戸惑っていた自分。その頃と比べれば、今のあなたは確実に、知っていることや、できるようになったことが増えているはずです。
その小さな変化を拾い上げ、「自分なりに歩みを進めている」という事実を認めることが、心の土台を安定させてくれます。
4.答えを急がない「保留する力」を大切にする
5月は、焦る気持ちから「早く結果を出さなきゃ」「向いていないならすぐ辞めるべき?」と白黒つけたくなる時期です。しかし、あえて“分からないまま持ち堪える力”を大切にしてみませんか?
物事の真価や自分の適性は、数か月で判断できるものではありません。「今はまだ、霧の中にいる時期」と割り切り、結論を保留する余裕を持つことで、心の余白が生まれます。そして、答えが見えるタイミングが来れば、自然と「これだ」と感じられるはずです。迷っているときは、“停滞”ではなく“熟成”のプロセスにいるのだ、と肯定しましょう。
5.「まだ途中の自分」に「未完の美」を見出す
「完璧になってから自分を認めよう」としてしまうと、いつまで経っても満たされません。幸福度の高い人は、「未完成であることが当たり前」という前提で自分を扱っています。
目的地に到達した瞬間だけが素晴らしいのではなく、迷い、悩み、試行錯誤しながら進んでいるプロセスそのものに価値があります。その過程があるからこそ、成果が出たときの喜びや充実感が大きくなるのです。
苦労してできたことほど心に残りませんか? 運動競技でも、誰もが簡単に金メダルを取れる世界では感動は生まれません。不完全な今の自分はダメなのではなく、未来の楽しみを育てている途中の姿。この“プロセスをまるごと肯定する”感覚に慣れていくことで、自己肯定感もゆっくり育っていきます。
「まだ途中の自分」とうまく付き合うヒント
「まだ途中」であることは、裏を返せば「何にでもなれる可能性の中にいる」ということです。100点満点の完成形を急いで目指すのではなく、毎日1%ずつ「自分らしい色」を重ねていく感覚で過ごしてみてください。
5月の迷いは、あなたが自分自身の人生をよりよくしようと、深く耕している豊かな時間。このことを心に留めておいてくださいね!






