パートナーに「あなたが必要」と伝えていますか?
今回は「人生100年時代の夫婦のパートナーシップ」につながる重要なお話しです。家に帰る前に、意味もなく家電量販店に寄ってしまったり、商店街をフラフラして時間をつぶしていたり、「家にいてもな」と思って立ち飲み屋に入っていったり。
何年か前に”フラリーマン”なんて言葉で、話題にもなったこんなパパたち。
目に見えて「帰りしぶりをしている」ならわかりやすいですが、こうしたパパたちはコッソリと気付かれないように注意をしながら行動していることもあります。
もしも、その傾向がチラリとでも感じられたら。
実際にフラフラしているかどうかを突き詰めるよりも、もっと大切なことがあります。
それは「あなたがいないと、家事も育児もひとりではできないんだ」と伝えることです。
もしも「うちの夫はそんなことにはなっていない」と思っていても「あなたが必要なんだ」ということをちゃんと伝えていないとしたら、ぜひ伝えるようにしてください。
夫が家にいるほうが家事が増える!?
フラリーマンになってしまう主な原因は、家族に「いなくていい」と思われていること。
実際にそうしたパパからよく聞くのが「俺が家にいても邪魔なだけだから、迷惑かけないように遅く帰る」という類。
これが、子どもが産まれたばかりの家庭でも起こっているのだから驚きです。
「夫が家にいると、家事も育児も大変になる!」と思ったことありませんか??
そうなんです。じつはそれ、事実なんです。
夫が家にいる時間が長いほど妻の家事の時間も長くなるんだよ、という調査もあります。
でもこれは、夫の力がちゃんと発揮できていないから起こってしまう事象ですよね。
ちゃんと夫がパートナーとして家事育児の担い手になってくれたら、こんな事態は避けることができます。
そんなの無理だって思いますか?
たしかに、少し時間はかかるかもしれません。でも、少しずつ関係性を築いていけば決して無理な話ではありません。取り組むなら、早ければ早いほどいいのです。
必要なのは「役に立ってる」という実感!
フラリーマンとワンオペママは、基本的にはワンセットです。
ワンオペの状態が長ければ長いほど、夫の「俺必要ないかも感」は高まっていきます。
勝手ですよね。これまで何もしてこなかったのは自分のくせに、勝手に「必要ないかも感」なんかに浸ってるんじゃないよ! って思いますよね。
でも、それを責めたところで夫婦のパートナーシップは改善されていきません。
さて、こうなってくると夫の中には「俺の責任は仕事だけOS」がインストールされている状態になります。それはママが「わたしは一人でも大丈夫! むしろ一人のほうがスムーズ!」と「ワンオペOS」をインストールして自分を守ろうとするのと同じことなのです。
夫を意図的に排除することで、自分の辛さを乗り切る。
責任を仕事という外に見出すことで、家庭内での辛さを乗り切る。
夫婦のすれ違いは、こうした自己防衛からいつの間に育まれてしまうこともあるのです。
こうなってしまった場合。もしくはこうなってしまわないために、ママがパパに対してできること。
それが「わたしは、あなたと一緒に育児がしたい。あなたがいてくれないと家はまわっていかない」というSOSを発信し続けることです。
わかってくれるパパは、すぐにわかってくれます。一度そう言われただけで、ハッとして自分の行動を見直してくれる。そういうパパを何人も何人も見てきました。
中には、時間がかかる人もいます。でも、諦めないでください。夫婦であることを。ともに家庭を営んでいくことを。時間をかけて改善されていく夫婦もたくさん見てきました。
ワンオペOSをインストールしてしまう方が早くて楽かもしれません。
でも、そのOSは子育てが終わっても続く長い夫婦生活ずっと続いていきます。
「あなたが必要なんだ」
そのメッセージを、たとえケンカをしても根底に抱きながら伝えてほしいと思います。
面倒だけれど、これこそが「人生100年時代」のパートナーシップを構築できる手段だと、ぼくは本当にそう思っているんです。
三木 智有
NPO法人tadaima!代表 日本唯一の家事シェア研究家 子育て家庭のためのモヨウ替えコンサルタント。初の著書『家事でモメない部屋づくり(ディスカヴァー・トゥエンティワン刊)』は好評発売中!
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