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「妻に嫌われるの、怖いじゃないですか」犬山紙子・劔樹人夫妻インタビュー#夫婦はつづくよ、どこまでも

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 「妻に嫌われるの、怖いじゃないですか」犬山紙子・劔樹人夫妻インタビュー#夫婦はつづくよ、どこまでも

2021.01.23

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特集:夫婦は続くよ、どこまでも

育児もお互いの仕事量を見て調整していこうというのが二人のルール。ただ、

「どうしても僕の方が家にいる時間が長いので、必然的に僕の割合の方が多くなっているとは思います」(劔さん)

劔さんといえば、育児に関するツイートが大きな反響を呼んでいた。

劔さんは、お子さんが女の子だったことで、女性に対する意識が自然に変わっていったという。女性が受ける差別や生きづらさを知識としては分かっていたつもりが、実際はぼんやりしていたところもある、ととある連載でも語っていた。

娘が大人になった時、女性だからという理由で苦労するような社会であってほしくないという思い。だからこそ、巷にはびこるジェンダーバイアスは取り除いていかなければならない。自ら実践してみせる劔さん。なかなかできることではない。

そう伝えると、劔さんはまた恥ずかしそうに、照れた表情で俯いてしまった。

そんな劔さんを、犬山さんは「あははは!」と笑う。

仲良しの秘訣は、言葉で伝えることとスキンシップ

恋人として付き合うようになり、さらには結婚してからもずっと、仲良しだという二人。「お互いが不安定だった頃も、相手への愛情はずっとあった」という。お互いの好きなところを聞いてみると

「彼は優しいんです。人の痛みがわかる人。もともと私は”自己責任論者”な部分があって、何か起こっても『その人が悪いんじゃない?』と思うことがあった。でもそれを夫が『その人のせいだけということはない。周りや社会の理解がないことなども原因している』とはっきり説明してくれて。私は自分が無知さと、その無知が偏見や差別を産むことを反省しました。そういうところも尊敬しています」(犬山さん)

「彼女は、面白いですね。本当に面白いと思う。見てても、話してても飽きないですね」(劔さん)

「だから、これまで夫婦の危機的なことはあったけど、離婚したいと思ったことはないです。唯一思ったのは、自分のせいで夫が追い詰められているのではないかと思った時。夫が苦しいなら、私は離れる選択をするしかないかもとは思いました」(犬山さん)

仲良しなのは、相手への尊敬と深い愛情あってのことではあるが、二人はちゃんと相手への思いを口に出して伝え合っているという。

「大好きだよとか、愛してるよとか、ちゃんと伝えるようにしています」(劔さん)

「スキンシップも多めですね。私からですが、よくくっついたりしていますね」(犬山さん)

お子さんの前でも、恥ずかしがらずに”普通に”伝え合っているという。

夫婦になると、「今さら好きとか愛してるとか、恥ずかしくて言えないよ」と言う人も多いように思う。「言わなくてもわかるでしょ」「察して欲しい」という人もいる。でも、いつからか「察して欲しい」がエスカレートし、「なぜ察してくれないの?」になることもある。「察して欲しい」ではなく、きちんと伝えること。相手が何を考えているかわかると、安心するものだ。

終わりに

「愛するとは、お互いが見つめ合うことではなく、ともに同じ方向を見つめることである」とは、『星の王子様』の作者サン・テグジュペリが残した言葉だ。それは実際そうなのだが、犬山さん・劔さん夫婦は、お互いを見つめることも同じぐらい大事にしていると感じた。問題があれば一緒に考え、対処し、お互いが元気でいることを確認したら、また肩を組んで、同じ方向を向いて歩いていく。そんな夫婦だ。

だから、最後に「10年後どんな夫婦になっていると思いますか?」と聞いた時、返ってきた答えも、痛快なほど納得だった。

「10年後も、変わらないと思いますね。変わらず、仲良しでいると思います!」

プロフィール

犬山紙子さん

1981年、大阪府生まれ。イラストエッセイスト、コラムニスト。大学卒業後、仙台の出版社でファッション誌の編集を担当。2011年、美人なのに恋愛で負けている女子たちの生態に迫った『負け美女 ルックスが仇になる』で、デビュー。『私、子ども欲しいかもしれない。』(平凡社)、『アドバイスかとおもったら呪いだった』(ポプラ社)など著書多数。2020年には『すべての夫婦には問題があり、すべての問題には解決がある』(扶桑社)を刊行。近年はTVコメンテーターとしても活躍。また、児童虐待問題に声を上げるタレントチーム「こどものいのちはこどものもの」の立ち上げ、社会的養護を必要とするこどもたちにクラウドファンディングで支援を届けるプログラム「こどもギフト」メンバーとしても活動中。

劔 樹人さん

1979年、新潟県出身。大阪で過ごした大学時代にベーシストとして音楽活動を開始。上京後の2008年より叙情派轟音ダブバンド「あらかじめ決められた恋人たちへ」に参加、今も活動を続ける。2009年に「神聖かまってちゃん」のマネージャーとなり、バンドを題材とした映画で俳優デビュー。著書『あの頃。男子かしまし物語』は映画化が決定、2021年2月に公開予定。

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