クイズ:「血と涙の結晶」間違い?間違いじゃない?
昨年は新型コロナウイルス感染拡大防止のために様々な大会がやむなく中止、または延期に。全国高校野球甲子園もしかり、東京オリンピックしかり。
出場権はどちらにしても選手たちの「血と涙の結晶」です。ふいになって涙した人は数多くいるでしょう。
……この文章の中にある「血と涙の結晶」実は間違いだって、気付きましたか?
答え「涙ではなく、汗!」
正しくは「血と汗の結晶」です。この慣用句の意味は「並々ならぬ熱意と努力のよって得られた成果」。ここで使っている「結晶」には、積み重ねられた努力が一つになった。という意味が込められているので、その比喩として「血と汗」が使われています。
「血と涙」というと……悔しさ、無念さ、恨みつらみをイメージしてしまいますよね。「血と涙」を使う場合の慣用句は、「血も涙もでない」「血も涙もない」。どちらも使うときには、非情な出来事が起こっているのがわかります。
ですが、日本語の不思議なところで「血と涙」は「汗」と組み合わせると、努力や前向きな意味に変わります。なので、「血と涙の結晶」は間違いですが、「血と汗と涙の結晶」になると、先の述べた意味と同じで、正しい使い方になるんです。
多分、「血と汗と涙」の涙は、感動や努力をイメージできるからなのでしょうね。