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ともに自立、ほどよい距離…"一緒に住まない、けど仲良し"を続けるために|松場登美さんインタビュー後編

家族・人間関係

2021.04.23 更新

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特集:夫婦は続くよ、どこまでも

リモート勤務なら可能かも?空き家を使った「なかよし別居」

ふたりが働き、暮らす大森町の街並み

―――特に登美さんと大吉さんのように「職場が同じ」という自営業のご夫婦や、定年後に旦那さんがおうちにいる、というような夫婦には「なかよし別居」は、円満に過ごすためには効果的だと思います。ところが実際に都会で部屋を借りて生活を別にするほどの経済力を持つご家庭は多くはないかもしれません。

登美さん:もちろん、さまざまな事情で誰もが別居できるわけではないかもしれませんが、自分の部屋をもつとか、自分のために使う時間を大切にしてほしい、そしていくつになっても自分を生かしてゆく道を選んでもらいたいと思います。ずっと一緒にいなくても、時にはお互いに違う時間の過ごし方をしてみるのもいいんじゃないかと思いますね。コロナを経てリモートワークを取り入れた企業も多いようなので、都会に住まなくても仕事ができる方は増える傾向にありますよね。もしも子育てや夫婦の将来を考えて「田舎での暮らし」を候補に挙げてもらえるなら、この周辺には空き家が多くあり、定住の支援をする団体もありますので、選択肢のひとつとして考えていただければと思います。働き方が変われば「なかよし別居」ももっと身近に考えてもらえるかなと思います。

お話を聞いたのは…松場美登さん
1949年、三重県生まれ。1974年に松場大吉と結婚。1979年からスタートした「BURA HOUSE(ブラハウス)」ではデザイン、製作を担当。1994年に立ち上げた「群言堂」では、デザイナーとして体にやさしい服を提案している。2001年、大森町内の武家屋敷「阿部家」を買い取り、2002年に引っ越し、大吉とは別居生活に。2008年、「他郷阿部家」と名づけ、宿泊施設として営業を始める。2011年、株式会社「石見銀山生活文化研究所」の代表取締役に就任。2018年には10軒目の古民家を再生し、一棟貸しの宿「只今加藤家」をオープンさせる。著書多数。

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取材と文:みやむらけいこ

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