教えてくれたのは……総合家電エンジニア 本多宏行さん
テックマークジャパン株式会社業務部クレームチームエキスパート
家電全般、住宅設備、パソコン、車などの延長保証の修理精査業務に携わっている。
多種多様な家電製品の幅広い専門知識が必要となる「総合家電エンジニア(正式資格名称:家電製品総合エンジニア)」資格を保持。
トースターの上にものを置くのはNG!
ちょっとした台所グッズや食材などがあふれがちなキッチン。トースターの上についものを置きたくなってしまいますが、「それはご法度!」と本多さん。
「トースター本体の強度はオーブンレンジほど高くなく、天面を手で軽く押すだけでも簡単に反ったり、歪んだりしてしまいます。トースター本体の天面にものを置かないようにしましょう。たとえ軽量でも、ものを置いたまま加熱調理することで、火災につながる恐れもあります。火災に至らなくても、たとえばのせたもののパッケージの色がはがれてトースターに付着したり、パッケージに印刷された注意書きなどがはがれて付着して、取れにくくなることも考えられます。『あれ? トースターになんで“賞味期限”って文字がついてるの?』なんてことにならないよう、取扱説明書を熟読のうえ正しく使いましょう」(本多さん)
焼き網に油分の多い食材を置いて調理するのは×!
トーストを焼くときに重宝するトースターの「焼き網」ですが、
「生肉や生魚、フライなどの食材を焼き網に置いて加熱するのはNGです。食材の油が落ちてヒーターに付着すると、発火の原因になります。また、焼き網にアルミホイルを敷いて加熱するのもNG。油が漏れて同じく発火につながる可能性が考えられます。食材は、必ず『調理トレイ』に置いて加熱しましょう。
また、お手入れをラクにしようと、パンくずなどを受け止める食材受けトレイにアルミホイルを敷くのも避けましょう。予期せぬ不具合や故障の原因になります。トースターで飲み物や湯沸かしを行うことも、火災や故障の原因となりますので控えてください」(本多さん)
トースターを肩より高い位置に設置したらダメ!
トースターをどこに置いていますか? 天面にものを乗せられないのなら、なるべく高い位置に置こうと考える方もいるかもしれませんが、「トースターは肩より低い位置に置いて」と本多さん。
「加熱調理が終わってすぐのトースター本体は非常に熱いので、調理した食材を取り出すときに扉に触れると火傷する恐れがあります。自分の肩よりも高い位置に置くと扉に手が触れる可能性が高くなるので、トースター本体は肩よりも低い位置に置くことをおすすめします。また、消防法基準では、トースター本体と壁のあいだは4.5cm以上、天面と壁のあいだは10cm以上、後面と壁のあいだは4.5cm以上を空けることが望ましいとされています。トースターは、この2点を踏まえたところに設置するといいですよ」
本多さんによれば、トースターは発明されてから1世紀以上のときが経過しているのだそう! それだけ便利に愛用している人が多い家電なのですね。上手に使って、毎日の調理がラクになるといいですね!