教えてくれたのは……総合家電エンジニア 本多宏行さん
テックマークジャパン株式会社業務部クレームチームエキスパート。
家電全般、住宅設備、パソコン、車などの延長保証の修理精査業務に携わっている。
多種多様な家電製品の幅広い専門知識が必要となる「総合家電エンジニア(正式資格名称:家電製品総合エンジニア)」資格を保持。
間違った使い方は、事故や故障の原因に
衣類の手入れに欠かせないアイロンや衣料スチーマー。毎日使う方も多いと思いますが、安全に使うには使用法を守ることが必要不可欠。
「間違った使い方をすると、逆に衣類を傷めてしまったり、思わぬ事故につながることもあります。また、故障の原因にもなるので、注意が必要です」と話すのは、総合家電エンジニアの本多宏行さん。
今回は本多さんに、アイロンと衣料スチーマーを使う際に、やってしまいがちなNGな行動を教わります。正しいお手入れ方法もお伝えするので、ぜひ参考にしてください!
アイロンの4つのNG行動
NG行動1:タンクに水道水以外の水を入れる
スチームアイロンのタンクに、水道水以外の水を使用してはいけません。アルカリイオン整水器や軟水器を用いた水、または、ミネラルウォーターなどを使うと、スチームが出なくなり、故障の原因となります。
NG行動2:スチームボタンをONにしたままにする
電源を切っている間やスチームを使わずにアイロンをかける場合は、スチームボタンをかならずOFFにしてください。ONになっていると、水漏れの原因になります。
NG行動3:常に高温で使用
アイロンがけは、衣類表示に従って低温から行うのが基本。設定温度は、布地の種類によって使い分けます。アクリルやポリウレタンなどであれば、設定温度は約70度から120度と低めに。綿や麻などであれば、160度から200度と高めに設定しましょう。
NG行動4:衣類以外に使う
衣類専用のアイロンを、他の目的に使用するのはやめましょう。予期せぬ事故に発展します。
衣料スチーマーの5つのNG行動
NG行動1:タンクに水道水以外の水を入れる
スチームアイロン同様、タンクに水道水以外の水を使用しないようにしましょう。やりがちなのが、衣類に香りをつけようと、水にアロマオイルなどを混ぜること。故障の原因になるので、絶対にやめましょう。
NG行動2:専用スタンド以外のものに設置
衣類スチーマーは、正しく設置しないと、予期せぬ事故に発展することもあります。かならず同梱されている専用スタンドをご使用ください。
NG行動3:ファスナーやボタンに当てる
衣料スチーマーは、ファスナーやボタンなどの硬い部分に当てると、アイロン面を傷付ける原因になるので、お気をつけください。
NG行動4:衣類を着たまま使用
お出かけ前などに、衣類を着たまま衣料スチーマーを使用するのは、火傷などの危険があるので、絶対にやめましょう。また、アイロンミトンの使用もNG。予期せぬ事故につながる可能性があります。
NG行動5:シルクやアクリル製の布に使う
シルクやアクリルなどの素材は、アイロン面を当てて使用できません。取扱説明書をよく読んで、正しく使いましょう。
アイロン・衣料スチーマーの手入れ法
スチームアイロンや衣料スチーマーを使い終わったら、必ず排水しましょう。排水せずに保管すると、タンクの内部にカビや雑菌が繁殖します。さらに、本体内部やアイロンのかけ面が腐食する原因となります。
本体やアイロンのかけ面は、柔らかい布で優しく拭きます。汚れがひどい場合は、希釈した台所用中性洗剤を用いて拭きましょう。研磨剤が含まれるケミカル剤の使用はNGです。アイロンのかけ面に焦げつきがある場合は、メラミンスポンジで優しくこすってみてください。
アイロンや衣料スチーマーは、日常的に使うものだからこそ、安全に正しく使用して、できるだけ長持ちさせたいですよね。本多さんに教わった内容をぜひ参考にしてみてください!