教えてくれたのは……総合家電エンジニア 本多宏行さん
テックマークジャパン株式会社業務部クレームチームエキスパート
家電全般、住宅設備、パソコン、車などの延長保証の修理精査業務に携わっている。
多種多様な家電製品の幅広い専門知識が必要となる「総合家電エンジニア(正式資格名称:家電製品総合エンジニア)」資格を保持。
まずは、取扱説明書をよく読む
「どんな家電でも、取扱説明書に従って正しく扱い、正しいお手入れをすることが、長持ちさせるための基本です」と話すのは、総合家電エンジニアの本多さん。
本多さん「取扱説明書は、我が子のように育て上げ、市場へと送り出した製品を一日でも長く使っていただくために同梱されているもの。商品を購入した人への感謝の気持ちや製品開発に携わった方々の熱い想いが込められているんです。」
「読まなくても使えるから」と、取扱説明書を読まなかったという経験ありませんか? でも、本多さんが力説する通り、長く使うために家庭でできる「はじめの一歩」は、取扱説明書の熟読なのです。
その上で行いたい正しい温水洗浄便座のお手入れを本多さんに教えていただきます。
本体や便座、便蓋は、週に1回はお手入れを
やわらかい布と中性洗剤を使って
日常のお手入れとしてすべきなのは、本体や便座、便蓋の掃除です。水道水で濡らしたやわらかい布をしっかり絞って、汚れを拭き取ります。汚れが取れない場合は、中性の台所用洗剤を希釈してやわらかい布に含ませて拭き、その後、水拭きしてください。
汚れに気がついたらすぐに掃除するようにし、最低でも一週間に一度を目安に、汚れを拭き取りましょう。
トイレットペーパーなどで拭くのはNG
温水洗浄便座の本体や便座、便蓋などの強化プラスチック部分を、乾いた布やトイレットペーパーで拭くと、傷をつけるだけでなく、破損を招く可能性もあるため、ご法度です。
また、間違っても、シンナーやベンジン、ナイロンたわし、金属たわし、酸性ケミカル剤、アルカリ性ケミカル剤、研磨剤入りケミカル剤などを使用しないこと。
強化プラスチックの部分だけでなく、ゴム部品や陶器、金属部品を傷つけ、さらに破損させてしまう可能性があります。
月に1回は念入りなお手入れを
月に1回を目安に、給水フィルター、洗浄ノズルのお手入れのほか、脱臭機能付きであれば脱臭フィルター、暖房機能付きであれば暖房フィルターのお手入れを行いましょう。
脱臭フィルターや暖房フィルターのお手入れには、使い古した歯ブラシが便利です。ただし、フィルターの網の目が崩れてしまわないよう、強くこすりつけず、丁寧にやさしく行ってください。
また、電源プラグもホコリが溜まりやすいので、注意が必要です。
冬場に周囲の温度が氷点下となるような場合には、水抜きという行為が有効です。
掃除しやすい機種も
機種によっては、便座から便蓋を容易に脱着できるものや、便器と便座の隙間をお手入れできるよう、温水洗浄便座の本体まで容易に脱着できるものが販売されています。
便器と便座の隙間のお手入れができるものは、衛生面でも優れていますし、とても魅力的な製品といえるでしょう。
日常のお手入れは、それほど大変ではないですし、念入りなお手入れも、月に一度ならできそうです。今日からでも、さっそく実践したいですね。