教えてくれたのは……総合家電エンジニア 本多宏行さん
テックマークジャパン株式会社業務部クレームチームエキスパート
家電全般、住宅設備、パソコン、車などの延長保証の修理精査業務に携わっている。
多種多様な家電製品の幅広い専門知識が必要となる「総合家電エンジニア(正式資格名称:家電製品総合エンジニア)」資格を保持。
トースターは使うたびにお手入れしよう
一度ついてしまうと、なかなか取れないトースターのガンコな汚れ。歯ブラシや重曹などを活用した掃除方法も紹介されていますが、「そこまでしなければならない状況まで放置することがご法度!」と本多さん。
「焼き網や本体に付いた汚れを放置すると、取れにくくなり、研磨剤が含まれる洗剤や漂白剤、化学ぞうきん、金属たわし、ナイロンたわしなどを使用してお手入れしたくなるのだと思います。でも、こうしたアイテムは変質や変色、変形などの原因になるので、使用はNG。またケミカル剤は、樹脂部分を傷つけたり、お手入れできない本体のすき間に浸入して故障の原因につながったりする可能性が考えられます。
トースターは、使用するたびにお手入れするのが基本です。子どもに接するように、トースターなどの家電にもぜひ愛情を持って接してあげてください」
トースターの正しいお手入れ4つのポイント
具体的には、どの部分をどのようにお手入れしたらいいのでしょうか? 知っておきたい4つのお手入れポイントを紹介します。
焼き網・調理用トレイ・食材受けトレイは使用するたびに洗う
「焼き網・調理用トレイ・食材受けトレイは、汚れていないように見えるときでも、必ず使用するたびにお手入れしましょう。油分がついていなければやわらかいスポンジを使ってぬるま湯で洗い、水道水ですすいで、乾いたやわらかい布で水分を拭き、十分に乾燥させます。油分が付着しているときは、ぬるま湯のかわりに台所用中性洗剤を水道水で希釈したもので洗って乾かします」
本体は汚れがついたらその都度ケアする
「トースター本体は、汚れたらその都度ケアしましょう。汚れはちょっとだけだからと放置すると、いざきれいにしようとしたときには汚れが浸透していて、完全に落としきれなくなってしまうことが多々あります。油分がついていなければやわらかいスポンジで、油分が付着しているときは台所用中性洗剤を水道水で薄めたもので洗い、洗剤はキッチンペーパーなどでしっかり拭きとりましょう」
内部のヒーターが汚れたら、十分冷めてからお手入れする
「トースター内部のヒーターにも汚れがつくことがあります。ヒーターが十分冷めたことを確認してから、キッチンペーパーなどで汚れを拭きとりましょう。十分に冷めていない状態で拭きとろうとすると、遠赤外線ヒーターを搭載したトースターでは遠赤外線シリコンが剥がれる場合があります。安全面も考慮して、必ず十分冷めてからケアしましょう」
研磨剤・漂白剤の使用は絶対NG!
「間違っても、研磨剤が含まれる洗剤や漂白剤、化学ぞうきん、金属たわし、ナイロンたわしなどは使わないようご注意ください。変質や変色、変形などの原因となります」
「こまめにお手入れすれば清潔な状態を保つことができ、ひいてはトースターを長持ちさせることにもつながります」と本多さん。こまめなお手入れで、お気に入りのトースターをきれいに、長く使えるといいですね。