まずは知っておこう! 消費電力の大きい家電上位5つとは?
暮らしを便利にしてくれて時短に役立つ家電グッズ。便利さゆえに、複数を同時に使いがちですが、契約アンペアを超えてしまうと、ブレーカーが落ちる原因になります。まっ暗な部屋のなか、壁をつたいながらブレーカーを上げにいく経験をした方も、いるのではないでしょうか?
ブレーカーを落とさないためには、契約アンペアを超えないように家電を使うのがコツ。総合家電エンジニアの本多宏行さんが考える「消費電力の大きい家電上位5つ」が、コチラです!
- エアコン
- 洗濯乾燥機
- 食器洗い乾燥機
- 冷蔵庫
- 照明器具
これ以外にも、IHクッキングヒーターやヒートポンプ給湯器、電子レンジ、ヘアドライヤーも消費電力が大きいと本多さんは話します。
「大容量の家電製品を使っていると、制限容量まであとわずかという状況になっている可能性があります。このような場合、壁側コンセントのもう1口に家電製品を接続して電源を入れると、ブレーカーが落ちるということは十分に考えられます。
また、部屋は別でも、ブレーカー回路が同一の場合も。大容量の家電製品を同時に使用するときは、ほかにも大容量の家電製品を使っていないか、十分に気をつけましょう」
「タコ足配線」していませんか?
次に気をつけたいのが、家電の「タコ足配線」。
「タコ足配線とは、電源タップを用いてコンセントの定格容量を超えて家電製品を使用することです。定格容量を超えて使用すると、電源コードなどへの発熱につながり、焼損、発煙、火災にまでおよぶ危険性があります」
一般的にコンセントで使用できる定格容量は15Aです。コンセントの差込口が1つであっても2つであっても15Aです。2つの差込口があるため15A×2で30Aまで使用できるわけではありません。コンセントの定格容量は差込口付近に記載されていますので確認してみましょう。
さて、お使いのコンセントが15Aであった場合に、100Vで使用する家電製品であれば15A×100Vで1500Wまで使うことができます。コンセントの差込口が1つしかないため、電源タップを活用して900Wの家電製品と、200Wの家電製品を接続した場合、1100Wであるためコンセントの定格容量以内で納まっていることが分かります。
このように定格容量内で使用しているのであれば危険性は大きくありませんが、合計のW数を特に気にせず使用されている方も多いのではないでしょうか。そういった観点から本多さんは電源タップの活用には注意が必要だと言います。
電源タップの上手な使い方とは?
どうしてもコンセントが足りず電源タップを活用するしか術がない場合は、定格容量の超過を検知できる安全装置が備わった電源タップを活用されるとよいでしょう。
コンセントまわりに、ホコリは溜まっていませんか?
最後に、コンセントの注意点についても、本多さんに教えてもらいました。
コンセントまわりのホコリは定期的に掃除を!
「容量を守っていれば安全というわけではありません。コンセントまわりにホコリがたまらないように注意しましょう。特に湿度が高い時季は要注意。コンセントと電源プラグの隙間に溜まったホコリが空気中の湿気を吸収することで漏電が生じ発火することがあります。発火の程度や状況により最悪の場合は大規模な火災を引き起こす危険性があります。これを『トラッキング現象』と呼んでいます。日ごろから定期的に掃除しましょう」
電源コードの上に重いものを乗せる、折り曲げるのはご法度!
「家電製品の電源コードは、少なからず負荷抵抗が生じています。電源コードの上に家具などの重いものを置いたり、電源コードを無理に折り曲げるようなことはご法度です! 電源コードの早期劣化につながり、判断線によるスパークから火災の原因になることがあります」
電源タップは、つなぐ順番がコツ! コンセントは定期的にお手入れをして、快適に家電を使いましょう。
教えてくれたのは
総合家電エンジニア 本多宏行さん
テックマークジャパン株式会社業務部クレームチームチーフ
大手自動車ディーラーでメカニックを経験した後、1999年に延長保証会社・テックマークジャパンへ入社。一貫して、延長保証の修理精査業務に携わっている。取り扱い製品は、家電全般、住宅設備(給湯器、換気扇、温水洗浄便座等)、パソコン、車など多岐に渡る。多種多様な家電製品の幅広い専門知識が必要となる「総合家電エンジニア(正式資格名称:家電製品総合エンジニア)」資格を保持し、チームを牽引する。
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