故障原因になりやすい自動製氷機。製氷皿は必ず流水で洗おう!
「冷蔵庫で故障しやすい場所といえば、自動製氷機でしょう!」と話すのは、本多宏行さん。さまざまなメディアで幅広い家電知識を紹介している総合家電エンジニアです。
冷蔵庫の専用スペースに水を入れるだけで氷ができる自動製氷機は便利で人気の高い機能のひとつですが、なぜ故障の原因になりやすいのでしょうか?
「自動製氷機は、一部のメーカーをのぞいて分解してお手入れすることができます。分解できる部品のひとつに製氷皿があります。衛生面を考えると、製氷皿を念入りに洗っておきたくなりますが、食器スポンジなどでゴシゴシとこすり洗いするのはじつはNG!
製氷皿には、氷がスムーズに外れるように、表面にコーティングが施されています。このコーティングに傷がつくと、水が染み込み、氷が離氷できなくなります。
離氷できないまま使っていると、給水タンクから製氷機に水が送られるときに製氷皿から水があふれてしまうなど、製氷皿を回転させる機械部品や電気部品の故障につながります。製氷皿に傷をつけるのは、御法度です! 製氷皿は必ず流水で洗いましょう」
製氷皿に傷があるかどうかは、目視確認して判断を。製氷皿に傷があるかは分からないけれど、貯氷ケースの底面がアイススケート場のように氷が張っている場合は、製氷皿を含め自動製氷機の関連部品に不具合が生じているかしれません。メーカーサービスに相談してみましょう。また、水道水以外の水で製氷していると製氷皿から離氷できない場合もありますので注意しましょう。
食品の詰め込みすぎはNG! 整理整頓&冷気カーテンが節電のコツ
では、冷蔵庫の電気代を抑えるには、どんなことに気をつければいいのでしょうか?
本多さんは、「いちばん気をつけたいのが外気の侵入」と話します。
「冷蔵庫のドアを開けて外気が侵入すると、庫内の温度上昇につながります。庫内の温度が上昇すると、設定温度まで下げるために余計な電力が必要に。ドアの開閉回数を減らしたり、開閉時間を短くすると、省エネ効果が期待できます。
別途購入することになりますが、冷気カーテンを利用すると、さらに外気の侵入を減らすことができますよ」
また、冷蔵庫に食品を詰め込みすぎないことも大切だといいます。
「冷蔵庫に食品を詰め込みすぎると、冷風の循環を妨げてしまいます。冷蔵庫内に食品をぎゅうぎゅうに詰め込まないように気をつけましょう。
冷蔵庫内部の上の方などに小さな“スキマのような吹出口”がありますが、ここは冷風が出てくるところです。このスキマの前には食品を置かず、空けておくのが正解です」
適度にスペースを開けて食品を置けば、設定温度は「中」でO K。食品が少ないときは「弱」にしておけばいいそうです。
「設定温度を『強』のまま続けるのは、じつはNG。『強』にするのは、ドアを開けっぱなしにしていてブザーが鳴ったときなど、庫内の温度が急に上昇してしまったときに使用すれば充分。ある程度時間が経って庫内の温度が安定したら『中』に戻すようにしましょう」
忘れがちな背面も年に一度はお手入れを
電気代を抑えるためにもうひとつ有効なのが、「冷蔵庫の背面を掃除すること」。
「冷蔵庫の背面部は見落としがちな場所。なかなか掃除する機会はないかもしれませんが、いざチェックすると大量のホコリが付着しているなんていうことも。冷蔵庫の背面部や底部にホコリなどがついていると放熱効果が低下して無駄な電力が必要になります。最低でも年に一度は掃除しましょう」
教えてくれたのは:総合家電エンジニア 本多宏行さん
テックマークジャパン株式会社業務部クレームチームチーフ
大手自動車ディーラーでメカニックを経験した後、1999年に延長保証会社・テックマークジャパンへ入社。一貫して、延長保証の修理精査業務に携わっている。取り扱い製品は、家電全般、住宅設備(給湯器、換気扇、温水洗浄便座等)、パソコン、車など多岐に渡る。多種多様な家電製品の幅広い専門知識が必要となる「総合家電エンジニア(正式資格名称:家電製品総合エンジニア)」資格を保持し、チームを牽引する。
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