連載スタートから2年
なんと、「良い人生は後から」の連載がスタートして2年が経とうとしている。
1回目のコラムがスタートしたのは、2023年の10月8日。
この2年、毎週日曜日に欠かすことなくコラムを書き続けてきた。それに関しては、自分を褒めたい。
けど、締切を守れなくて、編集部の方にご迷惑をかけたことは一度や二度の話ではない。そんな私の入稿を、いつも温かい気持ちで待ってくれる担当さんには感謝しかない。
そして、このコラムを1度でも読んでくださった方にも、心からの感謝を。
このコラムをSNSでシェアしてくださる方がいたり、Instagramに直接感想をDMで送ってくれる方がいる。
saitaは、知名度のあるメディアだ。そのメディアでコラム連載を持ちながら、「読んでくれている人がいるんだ!」と、シンプルに驚く。
多くの人に見てもらえるのが最善ではあるけども、私が書いている内容は、届くべき人に届いたらいいな。という思いで綴っているものが多い。決して、万人受けする内容ではないことは自覚しているし、響く人には響く! ということを綴っている自信はある。
だから私は、これからもこのコラムを続けていきたい。編集部から、「終了です」と言われるまでは。
47歳の今を生きる
2年前の10月にスタートしたということは、当時の私は45歳。そして今私は47歳。
何度も書いているように、今は「50歳」になるのが楽しみでならない。この数年の間にも、「50代って最高じゃん!」のお手本のような素敵な50代の方にたくさん出会った。
「もう歳だから」とか、「おばさんだから」みたいなことは決して言わない。「人生で、今が一番楽しい!」と、胸張って言いきる素敵女子のみなさまに出会う度、「私が目指すべき歳の重ね方」のあるべき姿を見せてもらっている気分になる。
とは言え、気持ちとは裏腹に体にはしっかりと衰えが出てくる。更年期はまだ感じていないけれど、体のどこかが常に痛いとか、治りが遅いとか……。抗えないものは確かにある。
ただ、それを悲観してばかりいては、そのネガティブな気持ちに引っ張られていくので、「47歳の体って、こうなのかぁ!」という捉え方をする。
ケアできるものは積極的にケアをする。夏休みが明けたこの9月は、自分の身体と向き合うメンテナンス月間だった。
そして、不思議なことに、私の体に触れた人たちが共通して言ったのが、「すごく溜め込むタイプですね」という言葉。
出しているつもりでも、まだまだいろいろたまっているらしい私の身体。ちゃんと解放してあげることをクセづけなくては! と改めて考えさせられた。
そんな施術を続けて受けた後、普段はなかなか出さない「怒り」という感情が出た。そして、その後に、「悲しい」という感情が出た。
家族にとっては、「どうした? どうした?」な状態だけど、私にとって表現が難しい、「怒り」と「悲しみ」を家族の前で出せたのはとてもいいこと。
思考ではなく感じるままに生きると、たまったものがどんどん解放されていく。
娘と手をつなぐことができなかった理由
ところが、解放をしたところで、私の中に新たなインナーチャイルドが現れた。
家族で散歩をしているとき、娘が手をつないでくる。ここ最近、それに拒否反応がでる。
「ごめん。暑いから手をつなげない」と言いながら、「これはどういう反応なんだろう」と考える。
手をつなぐことができなかった娘は、少しふてくされた顔をする。
「この瞬間、この子の中にインナーチャイルドが芽生えちゃったかもしれない」と思う。
でも、拒否反応を抑え込んで娘と手を繋げない私がいる。
夫に、このことを相談した。
「手をつないできて、それを振り払ったりするのはよくないけど、お前はいつも「暑いから」とか、繋げない理由を伝えて離してるから大丈夫じゃないかな」と言った。
そういうところをちゃんと見ていてくれているんだということに、ホッとする。
「なんでそうなると思う?」と夫から聞かれて、このことがあるまで思い出しもしなかった子ども時代の記憶が溢れてきて夫に話す。
子どもの頃、母は体調が悪くなると私に、「手をつないで。あなたと手をつなぐと安心して治るの」と言った。そのために学校を休んだこともある。夜中に起こされて、母のベッドに移動して朝まで母の手を握っていたこともある。
今の娘よりも小さい頃のことだ。あの頃の私は、「この手でお母さんが楽になる」という気持ちと、「この手がないと母が元気になれない」という気持ちを抱えていた。
私にとって、「手をつなぐ」ということは、母からの大きな期待に応えなくてはいけないというプレッシャーでもあった。
その記憶がなぜか今になって出てきた。そして、それが娘との関係に影響する。娘を育てながら、こうしてインナーチャイルドと向き合うことになるのは何度目のことだろう。
夫に話しながら、感情が溢れてくる。夫はただ黙ってそれを聞く。
理解してくれる人がいるということ、そして今私自身が、傷ついた子どもの私に対して言葉をかけてあげる。
その後、娘から手をつないできても、以前ほどの拒否感が出ない。気持ち的にはつないで歩きたいのだから、そうできるように潜在意識の中をクリアにする。
子育ては、ただ子どもを育てるだけじゃなく、自分の中のインナーチャイルドと向き合う時間でもある。どんな出来事も、向き合うべきタイミングでやってきて、解放や癒しが起こる。
私はきっと、これからも娘を育てながら、自分の中の小さな子どもを癒し続けるのだと思う。その気づきは、潜在意識インタビュアーとしての私の仕事にも必ずつながっていくはず。