相談:大学受験を控えた子どもに、家庭事情を話すべきかどうか。
(富山県・44歳・ノリコ)
応援してあげたいのですが、経済的なことがネックで子どもの希望を叶えてあげることはできないかも…。そこで家庭の経済事情を子どもに正直に話すべきかどうか悩んでいます。
市井紗耶香さんからの回答は……!
高校受験、大学受験と様々な進学についてお金にまつわる話は避けては通れない現実ですよね。
相談者さんのお気持ち、とても共感できます。
我が家も今年は高校受験と大学受験のW受験なので、受験対策と経済的なことで頭がいっぱい。まさに私も受験モードです。
さて、ご相談の件です。
あくまでも私の考えですが、経済的な部分については早めにお子さんにお話しした方が良いと思います。
とはいえ、お金のことはとてもデリケートなことなので相手を尊重し、モチベーションを損なわないような言葉選びがとても大切です。
親としての正直な思いをお子さんに伝えることを躊躇してしまうかもしれませんが、お子さんの気持ちを第一に考えつつ、正直に伝えていくことがとても大切なように思います。
日本の受験システムとしては、志望校を決めて対策を取るために夏休み前までにある程度形を作っていく必要があります。
よって、仮決定する前にきちんとお金の話し合いをしておくことも理由の一つです。
高校や大学を探し始めてから「これはダメ」、「ここには行けない」と条件を後出ししてしまうと、子どものモチベーションを下げかねませんよね。
「国公立大学を目指したい場合は一人暮らしが可能なのか」
「受験校はどれくらいの数を受けて良いのか」
「学費の上限はどこまでなのか」
など、お子さんからの質問にもきちんと答えられるように準備をしておくことも大切ですね。
また近年の傾向では、子どもがなんとなく家庭事情を察している家庭も少なくありません。
つまり、子どもが親に気を遣う状態です。
仮に奨学金に頼ることがあったとしても、きちんと返済をしていかなければならないのは子供自身。
だからこそ早めの段階で話し合っておくことが重要です。
子どもの気持ちに共感しよう
もしお子さんが難しい進路を希望した場合は「無理なものは無理!」と闇雲に伝えるのではなく、対話のコミュニケーションを高めましょう。
たとえば、
・なぜその大学で学びたいのか
・どんな進路を目指しているのか
など、子どもの口からきちんと考えを説明してもらいましょう。
その上で納得したら
「大学に行きたい理由が分かったよ。そして、夢が見つかる事はとても素晴らしいことだね。お母さんも応援するよ」と子どもが描いている夢や未来を尊重してあげてください。
親である私たちは経済的なサポートがどこまで可能なのかをよく考え、正直に経済事情を伝えてはどうでしょうか。
その際はできるだけ対等な立場で!あくまでも言葉を荒げず、誠実な気持ちでのぞむことが大事です。
進路を決めていくという事は、幸せに向かって進むための大事な通過点です。
教育にまとまったお金が必要になることは避けては通れない現実です。
子どもにとって自分自身の成長につなげられるよう…
お互い無駄な気を遣わずに前に進めるよう…
早めの対策をして心の準備も整えていきたいですね。
Text by Nana Yasuda
Photos by Azusa Hasegawa
Hair&make-up by Manami Takenaka
costume FRAY I.D