相談:自分が親になった時、わが子に手をあげてしまわないか心配…。
(35歳 コハル 愛知県)
相談:もうすぐ第一子が生まれます。赤ちゃんの誕生が楽しみで仕方ありません。しかし、私は親から殴る蹴るのひどい虐待をされて育ちました。いつか自分が親と同じようなことを我が子にしてしまわないか心配になります。
市井紗耶香さんからの回答は……!
子どもにまつわるニュースを目にするたび悲しい気持ちになります。
と同時に、こうした背景に至ってしまった経緯や子どもたちをどうやって守り、保護していくのかを社会全体で考えていかなければならないと思います。
私たちが幼少期のころの話と今では時代が違いますが、どちらかというと昔は様々な現場で大人が子どもに対して手をあげる行為が黙認されてきた時代でした。
子どもからしてみれば、言い分があるのに大人に逆らうことができないという理不尽さを抱いていたことでしょう。
幼いころの私もそういった経験があります。
しかし今の時代は、虐待行為に関してより深く社会全体が取り組むようになり、法制度も変わってきています。
子どもの未来を守っていく、そして親の未来も守っていくことにつながっているように感じます。
ただ、いくら法律制度が整ったとしても、児童相談所の職員不足、相談窓口、地域との連携が整いにくいのが現状です。
私は子育てを通じて、虐待は人ごとではないと実感しています。
正直、手をあげてしまったこともあります。
そこは包み隠さずこのコラムでお話しさせていただいていますが、だからこそ人ごとでは無いと思っています。
相談者さんは幼少期に虐待された経験があるので、自分も子どもを虐待してしまうのではないかと心配されているとの事。
とても辛いかと思います。
今は相談者さんにしかわからない感情を抱えていると思いますが、痛みや悩みの中にも幸せを見つけてほしいです。
「虐待してしまうかも…」は誰もが考えている
楽観的な考えになってしまうかもしれませんが、どんな環境にいる人も悩みを1つや2つ抱えています。
子育てを通して親は幸せをもらう一方で、どうしてもイライラしてしまうことはあります。
子どもに対して感情的になってしまうこともあります。
「虐待をしてしまうかもしれない」という不安は相談者さんだけではなく、多くの親が抱く感情だと思います。
これが解決策になるかはわかりませんが、そんなときはまず家事をほどほどにしてみませんか?
完璧にする必要はありません。
むしろ「家事をしない日」を作ってもいいと思います。
「じゃあ、その分は誰がやってくれるの?」となるかとは思いますが、買ってきた食事でもいいと思います。
たまにはインスタト麺でもスーパーのお弁当でも良いじゃないですか。
掃除や洗濯を数日サボっても、意外と困らないものです。
「手をあげてしまいそう」、「子どもが可愛くないと感じてしまいそう」という前に、家事を手放していいと思います。
相談者さんもお母さんになり、そんな感情が生まれてしまったときは休息してくだい。
1,2時間でも良いので家事を手放して、深呼吸をすることを覚えておいてください。
月齢が低く、子どもから離れられなければ子どもを抱いて散歩に行きましょう。
気晴らしになりますよ。
世の中には、頑張っているお母さんたちで溢れています。
社会全体がお母さんを守ってあげること、それが子どもたちを守ることにつながるということを私たちは心に留めておかなければいけません。
今回は話しにくい相談だったかと思いますが、勇気を出して話してくださりありがとうございました。
相談者さんのこれからを私も応援しています。
【匿名OKお悩み募集中!】あなたの悩み事を市井紗耶香さんに相談しませんか?
Text by Nana Yasuda
Photos by Azusa Hasegawa
Hair&make-up by Manami Takenaka
costume FRAY I.D