相談:子どもの1人と相性が悪い気がします。
兄弟間でのヒイキどうすれば
中学生と高校生、男子2人の子どもの母です。
長男は性格がおだやかで、小さい頃から考えていることなども理解でき、大きくなってからも良好な関係を築けていると思っています。母親との会話が減ったり、スマホばかり見ていて会話しても生返事……ということもありましたが、反抗期はそのくらいでした(これからあるのですかね(汗))。今は以前よりも話しかけてくれるようになり、落ち着いた関係、つまり生まれてから長男のことが分からずに困ったことがあまりありませんでした。
ところが二男に関しては小さい頃からわんぱくで、他の子へのちょっかいや喧嘩なども多く、長男とは真逆の性格。元気でいい子なのですが、叱ってもあまり反省の態度なく、先生とも相性が合わないとトコトン嫌われるタイプの子どもでした。
そんな彼が中学に入り、「うるせー」「ババアは黙ってろ」「キモイ」など口と態度が悪くなりました。年齢もあるのだろうと思いつつ、ついつい私も感情的になります。そんな日々の中で長男と比べてしまう発言をしてしまったり、長男からのお小遣いの増額などには対応したくなったりと、うっかりひいきしてしまう自分に気付きます。そして、この間は二男からも「長男のほうと話していればいいだろ(俺にかまうな、という意味だと思います)」と言われてしまいました。
私自身、3人姉妹の真ん中として育ち、両親からの不平等な扱いに幼少期傷ついた経験があるのに、同じことをしてしまっているのかと思うと申し訳ない気持ちになりました。
あさぎさんは、兄弟間の相性や、ひいきについて、どう考えますか?
(POPAI、47歳、神奈川県、パート)
小田桐あさぎさんからのアドバイス:合わない人との関りが世界を広げてくれるかも
人には誰しも、持って生まれた性格というものがあります。そして親子だからといって、お互いが持つ性格を無視し、無理やり考えを合わせようとしてもなかなか難しいのではないかと思います。
「子どものことを傷つけないように」と頑張るお母さんは多いのですが、私は親が子どもの心を傷つけてはいけないとは思いませんし、そもそも不可能だと思います。
私は数年にわたり、たくさんの女性の親子関係について話を聞いてきましたが、どんな育てられ方をした子どもでも、絶対に母親に対する不満というのはあるものです。全てを受け入れてもらえるような、完璧に満たされた子育てをしてもらったように見える女性ですら「社会に出て、上司から理不尽な扱いを受けた時に自分はなかなか立ち直れなかった。理不尽な親に育てられた同僚はうまく立ち回っていて羨ましかった。親にもっと社会の厳しさを教えておいてほしかった」という不満を漏らしていました。
この話を聞いたときに「どう育ててもどうせ恨まれる理論」というものが私の中で誕生しました(笑)。どうせ恨まれるなら、自分自身がハッピーでいられる子育てをしようと決めたのです。なのでまずは、そんなに子供の心象を気にする必要はないのでは?と思います。
人の思考回路に「つい」「うっかり」はない!?
ただひとつ気になるのは、POPAIさんの相談文を拝読しているときに出てくる「ついつい」感情的に、「うっかり」ひいきしてしまうという部分です。ご自分ではコントロール不可能だと感じていらっしゃると思いますが、本来、人間には「つい」ということはありません。それは、例えばもし見ず知らずの怖い人に道端で「うるせー」「黙ってろ」と言われたらどうなるか? を考えると理解しやすいかと思います。つい感情的になって言い返したりしませんよね。つまり潜在意識のどこかで、冷静に「感情的になること」「ひいきすること」を決めている可能性があります。
なぜ、そんなことを決めているのかといいますと、おそらくPOPAIさん自身が、次男さんに対し「長男さんのようになってほしい、なるべきだ」と無意識に考えていらっしゃるからではないでしょうか。感情的になってみせたり、ひいきすることで、次男さんの態度を変化させようとしてしまっているのです。
しかし冒頭にも繋がりますが、人には持って生まれた性格があります。穏やかな人もいれば、激しい人もいます。その持って生まれた性格を否定したところで、変えるのはとても難しいですし、短所を直そうとする行為は、得てして長所までなくしてしまうものです。
解決策としてはやはり、人には持って生まれたそれぞれの性格があり、どんな人でもそのままで良いと認めることかと思います。
お互いの考えに共感し合える関係は、一見ラクですが、ともすると視野の広がりがありません。
一方で、お互いに全く共感し合えない関係というのは、お互いを尊重し合うことさえできれば、お互いの視野も大きく広がり、また苦手な部分を補い合うこともできるのです。
ご自分にはない発想をたくさん持つ次男さんを通じて、POPAIさんの人生がさらに彩り豊かになることを、祈っております。
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