音・人・暗さ。全部込みの「今だけ感」
我が家が住むマンションは、現在大規模修繕工事中。
10年以上住んでいるけど、初めての修繕工事。マンションのまわりに足場が組まれて、外が透けて見える黒い布に覆われている。
予定では、来年の春頃まで続くらしい。……長い。
とにかく困るのが洗濯物。17時には作業が終わるので、その時間に合わせて洗濯機をまわし、夜の間ベランダに干している。
けど、全く乾かないので、暖房の効いた部屋の中で干したほうがいいのでは? と、干してみると、部屋干し臭くなったりする。
近くにコインランドリーはあるものの、毎日毎日ランドリーに通ったら、なかなかの出費になるので、ここぞってときしかランドリーは使わないことにしている。
あと、マンション全体が覆われているので、部屋の中は1日どんより薄暗い。外に出て初めて、「今日は天気がいいのか!」とか、「意外と暖かい!」ということがわかる。
窓を開けて外を確認したいけれど、今月は日中のほとんどの時間、我が家のベランダに数人の作業者がいて、壁をコンコンしたり、ドリルで削ったりしているので、カーテンすら開けられない。
部屋の横の壁を削り続けられると、家の中にいて気が狂いそうになる。こういうとき、家で仕事をする弊害を感じる……。
けど、こんなことおそらくまたこの先10年以上経験することはないだろうから、楽しむしかない。
修繕のついでに、家の中もアップデート
この大規模修繕のタイミングで、マンション中の部屋の玄関扉と窓とサッシが変更になった。
そこ? と思うようなパーツの変更をするんだなぁと思ったけど、新しくなった玄関扉はとても快適だし、新しく入った窓は気密性があがり、外の音がほとんど聞こえなくなったし、何より温かい。寒い時期ということもあり、とてもありがたい。
窓のサッシ交換となれば、もちろん作業する人が家の中に入るわけで、窓の近くは作業しやすいようにあけなくてはいけなかったりするのだけど、そのついでに床を磨いたり、カーテンを変えたり、思いがけず年末の大掃除がスタート。
普段しないようなことをすると、突然、大掃除のスイッチが入って、何年も放置していた大物をまとめて粗大ごみに出したり、早々とキッチンの換気扇周りを磨いたり、ガスコンロを磨いたりがはかどって、今年は、早々と大掃除が終わりそうだ。
玄関扉が新しくなったことで、何やら良い運気が入ってきそうな気がするし、窓が新しくなったことで、今年は窓掃除をしなくていい! という嬉しいポイントもあったりして、なかなか経験できない日々を、家族で満喫している。
大変なことはもちろんたくさんあるけど、今だけだし、そのおかげで良いこともある。
娘は、工事の時間は学校だったり、帰宅後は遊びに出たりするので、むしろ、マンションの至る所に工事の人たちがいて、帰ってくると、いろんな人から「おかえりなさい」と言われることがうれしいらしい。
作業をする人たちが、会う度に気持ちの良い挨拶をしてくれるので、私はそれが最近の楽しみだったりする。
受け入れることは、楽になること
マンションの先輩住民さんと話す機会があった。
「この修繕工事が決まるまで大変だったのよ」という話を聞いた。そして、決まった後も、工事を中止してほしいという意見が続いたらしい。
その話を聞いたとき、「永遠に続くわけじゃないのに?」と言ったら、「あなたのそういうところ、大好きよ」と言われた。
まぁ、実際に始まってみたら、大変なこともたくさんある。家で原稿を書いているときに、壁にずっとドリルを当ててる音が響きわたっていると、「頭がおかしくなりそうだぜ」と思う。
でも、そういうときは、気分転換に買い物に出たりすればいいんだなぁと思うようになってきた。
作業がたてこんでいるときは、イヤホンをして音楽を聞く。全く誤魔化せないけど、まぁ、夕方になれば絶対終わるわけだし。
どうしようもないことを受け入れないまま不機嫌い過ごすのは、結果的に自分を苦しめる。
これが永遠に続きますと言われたら、引っ越しを考えればいいわけだし、期限が決まっているなら、「今だけだし」と受け入れる方が楽だ。1日中うるさいわけではないし、土日はお休みなのだから。
年齢を重ねてきたことで身についた生き方のひとつだなぁと思う。
いやなことをいやと言うのは、とても大切なことだけど、共同住宅に住んでいるのだから、そこは自己主張すればいいというものでもないだろう。
我が家の2025年の師走は、こんな感じで過ぎていく。
家のまわりがバタバタしているからなのか、なぜか今年は珍しくクリスマスの飾りつけをする気になれず、未だ部屋の中にクリスマスらしさがゼロだ。
あと2週間の間に、少しはクリスマスらしさを演出できるのか。はたまた、今年はクリスマスの装飾なしでクリスマスを迎えるのか。
がんばらない。やれる余裕ができたら、やるかもね~な感じで、忙しない師走を気楽に過ごしていきたい。



