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「大腸がん」に進行する可能性がある“病変の特徴3つ”「ポリープや大きさだけで判断できない」

心と体

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2026.10.30

近年、患者数が増加しているとされる「大腸がん」。発症に関係する要因や、がんへと変化するポリープなどについて知ることは、大腸がんへの理解を深めるうえで大切です。今回は、天王寺やすえ消化器内科・内視鏡クリニック院長の安江 千尋先生に「大腸がんの発生・進行の仕組みや、がん化する可能性のある病変」について教えていただきました。

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連載:40代女性に役立つ健康知識

教えてくれたのは……安江 千尋先生

安江 千尋先生

天王寺やすえ消化器内科・内視鏡クリニック院長。日本消化器病学会専門医。がん研究会有明病院下部消化管内科のスタッフとして、約8年にわたり数多くの内視鏡検査や治療、レジデントの指導に従事。「胃がんや大腸がんでお亡くなりになる方をゼロにする」という理念のもと、専門性を生かした診療に取り組んでいる。

昔と比べて、大腸がんは増えている? 

2023年国立がん研究センターの統計によると、がん患者のうち大腸がんの罹患数は男性、女性ともに2位と、上位に入っています。新たに診断される人数の増加にはどのような背景があるのでしょうか。その背景には、社会の高齢化や生活習慣など、さまざまな要因が関係していると、安江先生はいいます。

参考URL: 最新がん統計(国立がん研究センター がん情報サービス)

腹部への異変出典:stock.adobe.com

安江先生「日本では、大腸がんは男女ともに患者数の多いがんのひとつで、年間約15〜16万人が新たに診断されています。長期的に見ると、大腸がんと診断される人の数は昔より大きく増加してきました。

ただし、ここで注意したいのが、『患者数が増えたこと』と『同じ年齢で比べた場合に昔よりがんになりやすくなったこと』は、必ずしも同じではないという点です。 大腸がんは年齢とともに発症する人が増えるため、高齢化が進むと、社会全体の患者数も増加します」

生活習慣も発症に関係している

食事出典:stock.adobe.com

安江先生「一方、食生活の変化、肥満、運動不足、飲酒、喫煙などの生活習慣も、大腸がんの発症に関係していると考えられています。 そのため、『食生活が欧米化したから大腸がんが増えた』とひとつの原因だけで説明するのは正確ではありません。 

大腸がんは男性に多い傾向がありますが、女性にとっても身近ながんです。特に40代以降は、自分自身の健康を守るために意識していただきたい病気のひとつです」 

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大腸がんはどこにできる?発生から進行までを解説

大腸がんは、大腸のどの部分に発生し、どのように進行していくのでしょうか。

大腸がんは、どこにできる?

大腸出典:stock.adobe.com

安江先生「大腸は、食べ物から栄養が吸収されたあとに残った内容物から水分を吸収し、便をつくって排出する働きを担っています。大きく『結腸』と『直腸』に分かれ、結腸には盲腸、上行結腸、横行結腸、下行結腸、S状結腸があります。大腸がんは、これらのどの部分にも発生する可能性があります」

大腸がんはどのように発生・進行する?

安江先生「大腸がんは、大腸の内側を覆う『粘膜』から発生するがんです。粘膜の細胞に遺伝子の異常が蓄積することで発生します。初期には粘膜の表面付近にとどまっていますが、進行すると腸の壁の深い部分へ入り込み、さらに進むとリンパ節や肝臓、肺などに転移することもあります」

がんの進行度によって治療方法が変わる

大腸検査出典:stock.adobe.com

安江先生「重要なのは、がんの大きさや発生した場所だけでなく、腸の壁のどこまで入り込んでいるかによっても、その後の治療方法や経過が大きく変わるということです。

早期に発見できれば、病変の状態によっては大腸カメラによる切除だけで治療が完結する場合もあります。一方、進行してから見つかった場合には、手術や薬物療法などが必要になることがあります」

がんにつながる病変とは?

大腸がんは、どのような経過をたどって発生するのでしょうか。安江先生によると、大腸ポリープからがんへ変化するケースのほか、内視鏡でも見つけにくい病変が関係することもあるといいます。

大腸ポリープの一部は、がんへ変化することがある

ポリープ出典:stock.adobe.com

安江先生「大腸がんの発生には、いくつかの経路があります。 代表的なのは、『腺腫』と呼ばれる良性の大腸ポリープが、長い年月をかけてがんへ変化する経路です。 

大腸ポリープとは、大腸の粘膜にできる隆起などの病変の総称です。 ポリープにはさまざまな種類があり、すべてががんになるわけではありません。その中で、腺腫と呼ばれるポリープの一部は、細胞に遺伝子の異常が蓄積することで、徐々にがんへ変化することがあります。 

一般に、大きな腺腫や、細胞の異型が強い腺腫ほど、がんを含む可能性が高くなります。 ただし、ポリープが小さいから絶対に安全というわけではなく、形や表面の性状なども重要です」

SSLと呼ばれる病変から、がんへ進行することがある

安江先生「近年、大腸がんの発生に関係する病変として注目されているのが、『SSL(大腸鋸歯状病変)』です。 SSLは、特に右側の大腸に多くみられ、周囲の正常な粘膜と色が似ていたり、表面に粘液が付着していたりするため、内視鏡でも見つけにくいことがあります。 

一部のSSLでは、特有の遺伝子や細胞の変化を経て、がんへ進行することがあります。 つまり、将来がんになる可能性のある病変は、必ずしも大きく盛り上がったポリープとは限らないのです」

大きさだけではなく、形や表面の特徴にも注目

大腸検査出典:stock.adobe.com

安江先生「大腸がんの中には、平坦な形や、表面がわずかにへこんだ「陥凹型」の形で発見されるものもあります。こうした病変の中には、小さくても腸の壁の深い部分まで入り込んでいるものがあり、注意が必要です。 

ただし、陥凹型という形だけで、必ず急速に進行すると判断できるわけではありません。 大腸カメラでは、ポリープの大きさだけでなく、色の変化、表面の模様、わずかな凹凸などを丁寧に観察することが重要です」

大腸がんは、ポリープの種類や形、表面の特徴によって、発見のしやすさや進行の仕方が異なります。早期発見につなげるためにも、こうした病変の特徴を理解しておくことも大切です。次回の記事では「大腸がんの初期症状や、40代から検診が必要とされる理由」についてご紹介します。

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著者

shukana

shukana

webライター

小学生、幼稚園児の男の子のママ。出産前まで紳士服業界に携わり、TES(繊維製品品質管理士)の資格を取得。 暮らしをより楽しく、よりラクに過ごすための方法を日々模索中です。

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