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鉄棒が苦手な子どもに、あなたなら何と言いますか?「正しいって難しい…」【トイトイの問い 第69話】

カルチャー

2024.12.12

私たちの日常にある「あたりまえ」。「どうして?」と問われたとき、はっきりと理由を答えられるものはどれだけあるでしょうか。「あたりまえ」への疑問の答えは、きっとひとつではありません。 トイプードルのトイトイと、猫のモラ。2匹の視点から生まれた疑問に、あなたなりの答えを見つけてみませんか?

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連載:トイトイの問い

正しさの軸、決めてる?

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とーちゃんとかーちゃん、全然違うこと言ってる…どっちが正しいんだろ?

基本的に人と人が争うときは大抵「お互いが自分の正義を主張しあっている」状態が起こっていると思います。客観的に見る人がいる場合、世間一般的な多数派が正しいという扱いを受けたりすることもありますが、多数派だから必ずしも正しいという事はありません。

正義の味方アンパンマンがバイキンマン側から見れば目障りな存在であるのと同じように、立場や視点が変わることで正しさというのは変動します。どこの誰が見ても絶対的に正しいものというものは恐らく存在しないのではないでしょうか。

「鉄棒が苦手だ」とぼやくマコト。
それに対し「別に鉄棒出来なくても将来困ることはない」と思う父。
「今出来なければ成績が下がって悲しい思いをする」と思う母。

私は逆上がりが出来ないまま大人になりましたが、大人になってから逆上がりが出来なくて困ったことは一度もありません。でも、子どもの頃は「出来てる子が沢山いるのに自分は出来ない」という劣等感を感じたこともあります。

大切なのはそのときの本人の気持ちです。
「出来るようになりたい」と今の本人が願うのならば、たとえ将来役に立たないと思っていても出来るように応援出来る方がいい。「苦手だからやりたくない」と思うのならば、今の気持ちのフォローをしてあげられる方がいい。
当事者を置き去りに、互いの正しさを議論しても仕方がないことです。

現代は情報量が多くて、複数の情報が相反することを主張していることもよくあります。
そこで大切なことは『多数』であることや『偉い人が言っている』ことがいつでも自分にとって正しいものになるとは限らない、ということ。

自分がどの情報を一番受け入れたいと感じるのか。
どの軸で情報を捉えて向き合うことが自分にとって一番いいのか。
情報が溢れている現代だからこそ、大人であれ子どもであれ、自分でよく考え『自分にとっての正しい軸』を選べるようにならないといけないな……と思います。

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著者

水谷アス

水谷アス

発達障害のひとつ、自閉症スペクトラム障害(ASD)当事者でASD児育児中の母。 理屈っぽい変人と言われながら生きてきました。 そんな変わり者の思考をありのままに伝えることが未来の多様性理解のひとつに繋がることを願って、種まきのようにマンガ、文章、音声、様々な媒体で日々発信活動をしています。 読んだ人の心に新しい気づきが芽生えてくれたら嬉しいです。

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