ひとりでやる方が楽なの?
なんでひとりでやってたんだろうね?
「この人に任せておけば安心」みたいな存在の人って、いますよね。自分で調べたりやってみるよりも、おまかせしちゃう方が早いので、つい、おまかせしちゃう。向こうも向こうで、誰かにやってもらうより自分でやっちゃう方が早いので、つい全部自分でやっちゃう。
今回のお話は家庭における『お母さん』がそういう存在になっている話ですが、どこの家庭も似たようなところがあるのではないでしょうか。私の実家も、夫の実家も、我が家も同じです。大事な書類だったり、ものをしまっている場所だったり、母ひとりの頭の中にしかない情報がたくさんあります。だから家庭で母が動けなくなったとき、他の家族はパニックに陥るんですよね。仕事における場面でもそういうことってあるのではないかと思います。
でも、普段からやっていない人に仕事や書類を割り振るのって、それはそれで大変なこと。教えるぐらいなら自分でちゃっちゃとやっちゃおう……なんてことは日常茶飯事です。やってもらえたら助かるけど、教えるって、思った以上に大変なんですよね。
とはいえ、たまに考えるんです。自分が事故にあったらどうしようとか、病気で急に入院することになったらどうしよう……とか。
だから私はたまに「今日は夕飯よろしく!」と、食事支度を家族に丸投げします。夫には子どもの面談や予防接種にも行ってもらったり。
最初の頃はひとつ物事を進める度に確認されて面倒で、冷蔵庫や食器棚には誰がみてもわかるようなラベルを貼りました。思った通り最初は大変でしたが少しずつ出来ることが増えてきました。これなら私がちょっと風邪を引いて寝込んでも、誰かがご飯を作れることでしょう。夫に学校や病院の事を知っておいてもらうことも、些細なことではありますが全く知らないのとは大きく違います。
こうやって母が全部やっていた仕事を家族で分け合うことで『いつもお母さんがやってるけど、これ、実は結構大変なことじゃない?』ということを家族が実感してくれるんですよね。そうすると家族にとっても、やってもらって当たり前の感覚が無くなっていきます。
先日、子どもたちでカレーを作りました。「自分が作ったものをオイシイって言ってもらえたら嬉しい。だからお母さんのご飯が美味しい時は、ちゃんと美味しいって伝える」と言っていました。作って貰えることもありがたいし、こういう気持ちをわかってもらえるのもありがたいことです。
ひとりが全部やる方が基本的には楽で、作業を教えたり分ける方が大変なこともあります。
でも大変さを分け合うクセは、つけておいてもいいのではないでしょうか。
みんなで一緒に大変さを分け合って、楽しさは共有する。
これは家族だけでなく会社でも同じ。誰かが倒れたときに困らないだけでなく、お互いの大変さを知ることで感謝の気持ちも生まれるんですよね。
一人に仕事が偏ることなくお互いが支え合える関係って、素敵だと思いませんか?