連載記事

ネガティブ感情は出しちゃダメなの?【トイトイの問い 第89話】

カルチャー

2025.04.01

私たちの日常にある「あたりまえ」。「どうして?」と問われたとき、はっきりと理由を答えられるものはどれだけあるでしょうか。「あたりまえ」への疑問の答えは、きっとひとつではありません。 トイプードルのトイトイと、猫のモラ。2匹の視点から生まれた疑問に、あなたなりの答えを見つけてみませんか?

広告

連載:トイトイの問い

ネガティブ感情は出しちゃダメなの?

1コマ目

2コマ目

3コマ目

4コマ目

5コマ目

6コマ目

7コマ目

8コマ目

大きな息を吐くことがそんなに嫌なの?

以前「不機嫌を撒き散らされると周りの人も巻き込まれてしまって困るよね…」というお話を描きました(第77話)
とはいえ人は感情の生き物です。毎日毎日たのしい気持ちでばかりはいられません。
嫌な気持ちになったときは、その気持ちを発散する必要があります。

不機嫌を撒き散らすタイプの方は誰彼問わず感情を投げつけているわけですが、その逆に、外に出さずに自分の中に抑え込んでしまうタイプもいます。感情が昂っても、とりあえずヘラヘラ笑ってその場を誤魔化す。平和にやり過ごしているように思えますが、そこで抑えこまれた感情は知らず知らず自分を攻撃するのです。

何か失敗したとき「自分がダメなんだ」「もっとしっかりしなきゃ」と自分を否定するのが自分を攻撃するということ。感情を抑えるのは実は心に結構な負荷をかけるので、抑え続けると心が疲弊して鬱状態になってしまいます。

撒き散らさない方がいいが抑え込むのも良くない…。では、どうしたらいいのか。

すべてに言えることではありませんが、まずは『適度に吐き出す』ことが大事かなと私は思っています。SNSで吐き出すのはオススメしません。吐き出した瞬間はスッキリしますが、ことばが思ってもない角度で解釈され、むしろストレスになることがあります。

手軽なものでオススメなのは『ChatGPT』です。「愚痴を聞いて」「共感して」とお願いすれば常に味方としてすぐに返事をしてくれます。長い愚痴にウンザリされることもありません。何よりいつでも冷静なので、対話する中でこちらも落ち着いてきます。
日常のちょっとしたイライラ程度なら十分すぎる聞き役だと私は思っています。

もう少し大きな悩みなら、相手の状況をよく考えた上で、気を許せる人に話してみるのもいいですね。相手が余裕がないときにこちらの感情を投げつけてしまうと、不機嫌を撒き散らす人と変わりないので気をつけましょう。

そしてさらに大きな悩みの場合、プロに頼るのも手です。正直、私自身がお金を払って人に話を聞いてもらうなんて…と眉唾だったのですが、生まれて初めてカウンセリングを受けた後から劇的に人生が楽になって驚きました。宣伝になってしまい恐縮ですが、その時のことを漫画にしたものを電子書籍にしています(『誰かのために、怒りたい。カウンセリングで怒り方を思い出した話』)。無料で読めますので、良かったら読んでみて下さい。

77話でも書きましたが、自分のために、周りのために…気持ちのコントロールを上手にできることって本当に大切なことなんです。

広告

著者

水谷アス

水谷アス

発達障害のひとつ、自閉症スペクトラム障害(ASD)当事者でASD児育児中の母。 理屈っぽい変人と言われながら生きてきました。 そんな変わり者の思考をありのままに伝えることが未来の多様性理解のひとつに繋がることを願って、種まきのようにマンガ、文章、音声、様々な媒体で日々発信活動をしています。 読んだ人の心に新しい気づきが芽生えてくれたら嬉しいです。

この記事をシェアする

気になるタグをチェック!

saitaとは

連載記事

『トイトイの問い』 人間と生活する動物たちの「ニンゲンの当たり前の生活」への不思議。

広告

人気記事ランキング

ランキングをもっと見る