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知らないことって恥ずかしいの?【トイトイの問い 第85話】

カルチャー

2025.03.18

私たちの日常にある「あたりまえ」。「どうして?」と問われたとき、はっきりと理由を答えられるものはどれだけあるでしょうか。「あたりまえ」への疑問の答えは、きっとひとつではありません。 トイプードルのトイトイと、猫のモラ。2匹の視点から生まれた疑問に、あなたなりの答えを見つけてみませんか?

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連載:トイトイの問い

知らないことって恥ずかしいの?

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なんで知らないって言わないの?

私は子どもの頃、大人には知らないことなんてないと思っていました。
でも自分が大人になってみて思います。
大人の世界もまだまだ全然、知らないことに満ちていると。

私はちょっとしたことをすぐ疑問に思う方なので、子どものころ、何でもかんでも知りたがってはよく怒られていました。疑問を投げかけることがどうして怒られるのかわからなかったんですが、大人になってみて何となくわかりました。
子どもの疑問は思いもよらない角度から攻め込んできます。私も娘から答えられない疑問が飛んでくることがよくあります。私が子どもの頃怒られたのは、その答えられない問いが面倒くさかったところもあるだろうなと思いました。

でも答えるのが面倒なら「わからない」と言えばいいのに、何で怒るのでしょう。
それは多分子どもに対して「わからない」と言いたくない大人が案外多いからではないかと思っています。

先日、娘にお米を研いでもらいました。そのとき、炊きあがったご飯と比べて生米が小さいのは何故なのか?と言い出しました。私は、お米は炊くと水分を吸って膨らむからだと答えたのですが、そうしたら娘はキラキラした顔をして「知らなかったぁ!」と大喜びしたのです。

「知らなかったことがそんなに嬉しいの?」と尋ねると娘は得意げに「私はまだまだ知らないことがいっぱいあるから、新しいことを知るたびに嬉しくて心がパァア…ってなるんだ!」と、言いました。その感覚、大人になっても忘れないでほしいなと思いました。

私自身は何でも知りたい人なので、難しい疑問を投げかけられたときは「わからない」と言って、子どもと一緒に調べます。
そして、わかったとき、一緒に驚いて、喜びます。知らないことが多いことは喜びなんです。だって、そこから新しいことを知ることが出来ますから。

「わからない」ことは恥ずかしいことでも悪い事でもありません。だから、わからない問いを投げかけられたときは、素直に「わからない」と返してみませんか?
わからなかったことの答えが出て、心がパァア…となる瞬間は、何歳になっても楽しめるものです。
是非、皆さんも『わからないこと』楽しんでみてくださいね。

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著者

水谷アス

水谷アス

発達障害のひとつ、自閉症スペクトラム障害(ASD)当事者でASD児育児中の母。 理屈っぽい変人と言われながら生きてきました。 そんな変わり者の思考をありのままに伝えることが未来の多様性理解のひとつに繋がることを願って、種まきのようにマンガ、文章、音声、様々な媒体で日々発信活動をしています。 読んだ人の心に新しい気づきが芽生えてくれたら嬉しいです。

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