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すべてを平等にするのは難しいよね?【トイトイの問い 第18話】

カルチャー

2024.04.13

私たちの日常にある「あたりまえ」。「どうして?」と問われたとき、はっきりと理由を答えられるものはどれだけあるでしょうか。「あたりまえ」への疑問の答えは、きっとひとつではありません。 トイプードルのトイトイと、猫のモラ。2匹の視点から生まれた疑問に、あなたなりの答えを見つけてみませんか?

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連載:トイトイの問い

すべてを平等にするのは難しいよね?

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まんが

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「それって差別じゃない!?」

近年、多様性の理解という言葉をよく聞くようになりました。
それによって少数派への理解が深まってきているように思います。

私自身は左利きです。左利きは右利きと比べると少数派である故に、若い頃は右利き中心の社会で苦労することがよくありました。
年々理解が広まり、左利きの人でも使いやすい道具や建物の造りが増えてきていることにありがたさを感じます。

しかし、こういった少数派としての個性や不便さなどについて、すべてのひとが困らないようにすることは難しいです。
ある程度すべての人が不便さを感じない社会が良いのだろうとは思います。でも、すべての人を平等にしようとすると生まれる不便さもあるのです。

『右手でも左手でも使える道具』って実は『右専用、左専用よりちょっと使いづらい』場合も多々なんです。明確にその人に合わせてあるものの方が、やっぱり使いやすいんですね。

性的マイノリティの方のためにトイレを男女別にせず全てのトイレを多目的トイレのように共用にしよう、という主張を見たことがあります。確かに心と身体の性が食い違っている方にとっては男女別の空間は居づらいのかもしれない。
でも、食い違っていない方にとっては混ざっている事で困ることもあります。

たとえ家族でも、まだ犬の言葉で使える道具の開発は進んでいません。
それを「家族なのに使えないなんて差別だ!」と言われても、やっぱり現実的に難しいことはあります。
動物の言葉を理解する機械が出来たらいいなぁと思うことはありますが、わからないからこそ出来るコミュニケーションもあり、言葉が通じあわないからこそ救われる存在になることもありますよね。

全てを平等にしようとすると世界はむしろいびつになってしまいます。
他者に理解を広めることばかりでなく、自分にとって不平等と感じる部分を各々受け入れていくことも多様性の理解という意味では大切なのかもしれません。

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著者

水谷アス

水谷アス

発達障害のひとつ、自閉症スペクトラム障害(ASD)当事者でASD児育児中の母。 理屈っぽい変人と言われながら生きてきました。 そんな変わり者の思考をありのままに伝えることが未来の多様性理解のひとつに繋がることを願って、種まきのようにマンガ、文章、音声、様々な媒体で日々発信活動をしています。 読んだ人の心に新しい気づきが芽生えてくれたら嬉しいです。

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