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ガマンは本当に必要なのでしょうか。「苦手な人と無理に関わらなくてもいいよね?」【トイトイの問い 第49話】

カルチャー

2024.09.10

私たちの日常にある「あたりまえ」。「どうして?」と問われたとき、はっきりと理由を答えられるものはどれだけあるでしょうか。「あたりまえ」への疑問の答えは、きっとひとつではありません。 トイプードルのトイトイと、猫のモラ。2匹の視点から生まれた疑問に、あなたなりの答えを見つけてみませんか?

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連載:トイトイの問い

苦手な人と無理に関わらなくてもいいよね?

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嫌な相手のことガマンするばかりじゃなくて、逃げたり避けたりしてもいいんだよね?

絶対的な立場や権力の差がある目上の人から怒られているとき。
いつも気分が悪くなるようなことを言ってくる人と会うこと。

なんとなく、そこから逃げるのはいけない、と考えてしまうことはありませんか。

私は、自分自身がそれを嫌だと思うなら、そこから逃げたり避けたりすることは決して悪いことではないと思うのです。
「ガマンすることで忍耐強さを鍛えられる」「嫌なことから逃げたら逃げクセがつく」みたいなことを言う人もいます。でも、叱責に耐え続けるのが人生の糧になることなんてごく稀で、トラウマとして心の中に残ってしまうものも少なくありません。

からだに傷が出来たとき、治った皮膚は、傷が出来る前より強いでしょうか。古傷は、強くなるどころか治った後も痛むことすらあるように思います。
心もきっと同じです。恐らく、痛みがある状況に対し「鈍化」するだけ。傷の痛みは残るし、耐えることで傷つく事に対して強くなれるわけでは無いと思っています。

だからこそ、私は余計な心の傷を増やさないようにするのが、まずは大切なんじゃないかと思っているのです。嫌だと感じた相手から「逃げたり避けたりする選択が出来る」のは、むやみに傷つかない人生を生きるためにとても大切なことではないでしょうか。

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著者

水谷アス

水谷アス

発達障害のひとつ、自閉症スペクトラム障害(ASD)当事者でASD児育児中の母。 理屈っぽい変人と言われながら生きてきました。 そんな変わり者の思考をありのままに伝えることが未来の多様性理解のひとつに繋がることを願って、種まきのようにマンガ、文章、音声、様々な媒体で日々発信活動をしています。 読んだ人の心に新しい気づきが芽生えてくれたら嬉しいです。

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