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無意識にやっているかも…。「悩んでいる人に答えを提案する必要はないの?」【トイトイの問い 第67話】

カルチャー

2024.11.30

私たちの日常にある「あたりまえ」。「どうして?」と問われたとき、はっきりと理由を答えられるものはどれだけあるでしょうか。「あたりまえ」への疑問の答えは、きっとひとつではありません。 トイプードルのトイトイと、猫のモラ。2匹の視点から生まれた疑問に、あなたなりの答えを見つけてみませんか?

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連載:トイトイの問い

悩んでいる人に答えを提案する必要はないの?

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なんで、かーちゃんは怒ったのかな?

今回のやり取りのように、ちょっとぼやいたことに対して解決策を提示されて「別にアドバイスされたかったわけじゃない!」とイライラする側になることも、誰かが悩みを吐露したときに、つい「こうしてみたら」と言ってしまう側になることも……。
誰もが何かしらの形で体験したことがあるのではないでしょうか。

人が「悩んでいる」と口に出したとき、いつでも誰かからの【答えを求めている】わけではありません。もちろん答えを求めている場合もありますが、ただ悩んでいる現状を誰かに知ってほしい・聞いてほしいだけということも多々あるのです。

気づいていないだけで大抵は自分自身の中に悩みの答えがあることが多いものです。
周りの人が出来るのは本人がその答えを自分の中から探し出すお手伝いであって、代わりに探してあげる必要はありません。
良かれと思って自分なりの正解を勝手に押し付けてしまうと、余計なお世話になってしまうわけですね……。

優しさのつもりで伝えたことばを相手から"クソバイス"扱いされてしまうことは悲しいものですが、欲しくもないアドバイスを押し付けられた側だって嫌な気持ちになっているわけです。つまり、お互いが被害者であり加害者なのです。

『相手が悩んでいる』と知ったとき(その悩みをどうにかしてあげよう)と思えば、アドバイスをしたくなります。
しかしそもそも他人がどうにか出来る悩みなんてほとんどありません。
どうにかしてあげよう、と考える前に(本当はどうしたいと思っているのかな?)と考えながら話を聞いてみるのはどうでしょうか。ちょっとした違いではありますが、その視点から話を聞くことでアドバイス以外のより良い返しが思い浮かぶかもしれませんよ。
 

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著者

水谷アス

水谷アス

発達障害のひとつ、自閉症スペクトラム障害(ASD)当事者でASD児育児中の母。 理屈っぽい変人と言われながら生きてきました。 そんな変わり者の思考をありのままに伝えることが未来の多様性理解のひとつに繋がることを願って、種まきのようにマンガ、文章、音声、様々な媒体で日々発信活動をしています。 読んだ人の心に新しい気づきが芽生えてくれたら嬉しいです。

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