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将来の夢って“お仕事(職業)”なの?【トイトイの問い 第42話】

カルチャー

2024.08.13

私たちの日常にある「あたりまえ」。「どうして?」と問われたとき、はっきりと理由を答えられるものはどれだけあるでしょうか。「あたりまえ」への疑問の答えは、きっとひとつではありません。 トイプードルのトイトイと、猫のモラ。2匹の視点から生まれた疑問に、あなたなりの答えを見つけてみませんか?

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連載:トイトイの問い

将来の夢って、“お仕事”なの?

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『しょうらいのゆめ』って、なぁに?

皆さんの子どもの頃の『将来の夢』は何でしたか?
それは、叶いましたか?

将来の夢を聞かれれば大抵の人は職業で答えますよね。
ある程度の年齢になれば「叶わなかった夢」になってしまうことも。
果たして夢とは「職業」でいいのでしょうか。

私が小学校の卒業文集に書いていた夢は『漫画家』でした。
でも今自分が漫画を描いている事に対し、改めて「夢が叶った!」と、思ったことはありません。
私自身、実は漫画家を目指そうとしていたわけではなく、気づいたら漫画を描く人になっていた……という感じなのです。

漫画を描くのはあくまで『手段』でした。
将来の夢としての職業を挙げるとき、それを選んだ理由がありますよね。
本当の夢というのはそっちだと思うのです。『手段』ではなく『目的』の方です。

小学生の頃、漫画を描いて友達に見てもらっていた私の目的は「自分の頭の中にある世界を人に伝えること」だったように思います。
でも、私は漫画以外に文章や声でも「伝えること」をしています。だから未だに「自分が漫画家である」とは、あまり思えていません。じゃあ何なの? と思うのですが、本気で自分の職業がよくわかりません。

職業ひとつを夢にすると『手段を目指す』ということになります。
たった一つの手段に夢を絞ってしまうなんて、ちょっと勿体ないと思いませんか?

公務員になりたい夢がある子に理由を聞くと「安定している」という『目的』が返ってきたりします。でも安定しているのは公務員だけではないはず。
目的のために別な道も選べることを知っている方が、ゆとりのある生き方が出来るように思いますし、夢を叶える確率も上がります。

漫画の中でヒナタちゃんが「大人になっても犬や猫とあそびたい」と言っていますが、きっとそれが「夢」なんだと思います。叶えるために色んな道がありますね。

……さて、今の皆さんの夢は、なんですか?
何歳からでも遅いなんてことはありません。私は40歳を過ぎてから今の仕事をしています。
出来ること、なにかやってみませんか。

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著者

水谷アス

水谷アス

発達障害のひとつ、自閉症スペクトラム障害(ASD)当事者でASD児育児中の母。 理屈っぽい変人と言われながら生きてきました。 そんな変わり者の思考をありのままに伝えることが未来の多様性理解のひとつに繋がることを願って、種まきのようにマンガ、文章、音声、様々な媒体で日々発信活動をしています。 読んだ人の心に新しい気づきが芽生えてくれたら嬉しいです。

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