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毎年頭を悩ませる子どものお年玉。「なんで年上だとお年玉が多いの?」【トイトイの問い 第74話】

カルチャー

2025.01.01

私たちの日常にある「あたりまえ」。「どうして?」と問われたとき、はっきりと理由を答えられるものはどれだけあるでしょうか。「あたりまえ」への疑問の答えは、きっとひとつではありません。 トイプードルのトイトイと、猫のモラ。2匹の視点から生まれた疑問に、あなたなりの答えを見つけてみませんか?

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連載:トイトイの問い

年上なだけでどうしてお年玉が多いの?

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おにいちゃんだとおおくなるの?としうえのほうがえらいってこと?

年始、親戚で集まる席。去年はいくら渡したから、今年はもうちょっと増やそうか……等々、私はいつもお年玉の金額に頭を悩ませています。

我が家には娘が二人います。年の差は4歳。
私自身が子どもだったころ、お年玉の金額は兄より少なかったし、弟よりは多かった。年齢で金額が違うというのは自分の中で当たり前のことでした。なので当然我が家では、毎年長女のほうがお年玉が多くなります。

ですが次女が先日、言ったんです。
「何でお姉ちゃんのほうがいつもたくさんお年玉をもらえるの?」と。
私は「お姉ちゃんが4歳年上だから」と返しましたが「私もお姉ちゃんも普段欲しいものは変わらないのに、私が年下ってだけでいつでも少ないのはおかしい」と次女。

『だって、そういうものだから』という言葉が頭をよぎったとき、ああ、ここにも固まってる価値観があったと気付かされてしまいました。

そう、今回の漫画のエピソードは我が家のエピソードそのままです。
実は毎年少しずつ自分のもらえる金額が上がっているとしても、去年いくら貰ったかなんて子どもは恐らく覚えていません。でも、目の前でもっと多くもらっている人がいることはわかってしまいます。
自分が1歳年をとっても周りの人も一緒に年を取る。追いつくことはありません。
毎年そのモヤモヤを感じるのは結構理不尽かもしれない……と思いました。

これは一部の会社における「年功序列」でお給料が上がっていく感じによく似ています。
会社に入ったのが先というだけで給料が高い相手がいる。先に入っていた人が怠け、後から入った人が頑張っても年季だけで給与額が決まるならそれは理不尽ですよね。最近は年功序列ではなく様々な昇給形態があるように思いますが、それはやっぱり年功序列だけで給与額が決まるのはおかしいという価値観が広まってのことでしょう。

たかが子どものお年玉、されど子どものお年玉。
上の子がいつでも下の子よりもらえるお小遣いが多くなるのは単なる『先に生まれた』という既得権益だと思っています。年上なら偉い、なんてことはありませんから。こういうところでも『そういうものだから』を根付かせるのはあまり良くないかもな…と思ったので、今年はせめて両親からのお年玉金額は揃えることにしました。そこで姉が「年上なのに妹と同じなのはおかしい」と言い出すことがあれば「なんで年上だと多く貰えると思うの?」と一緒に考えてみようと思います。

親戚の子相手にまでそれを変えるのはちょっと説明がややこしいのでやりませんが、一律でどの年齢の子ももらえる金額は同じ、というかたちが、渡す側のおサイフ事情も踏まえることができる最適な形なのかもしれません。
子どもが成長する度に金額を上げていくと、結構馬鹿にならない出費になるんですよね(苦笑)

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著者

水谷アス

水谷アス

発達障害のひとつ、自閉症スペクトラム障害(ASD)当事者でASD児育児中の母。 理屈っぽい変人と言われながら生きてきました。 そんな変わり者の思考をありのままに伝えることが未来の多様性理解のひとつに繋がることを願って、種まきのようにマンガ、文章、音声、様々な媒体で日々発信活動をしています。 読んだ人の心に新しい気づきが芽生えてくれたら嬉しいです。

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