ことばの影響力、考えて使ってる?
言った側に悪気がなくても、言われた側の心に残っちゃう言葉ってあるよね…
皆さんは「自分には出来っこない」「こんなことやってはいけない」と思い込んでいることはありませんか。それは心に『禁止令』が発令されているかもしれません。
私は以前、矢野惣一先生の『問題解決セラピスト養成講座』という講座を受講し、その時に『禁止令』を解くワークを受けました。
これは、矢野先生が作成したリストの中から、各々自分で自分に禁止している項目にチェックを入れ、受講生同士で禁止令への許可を出し合う……というものです。許可の言葉を言ってもらうだけなのに思った以上に心が軽やかになって驚きました。
リストにチェックしていたとき、その言葉をよく自分に言ってきた大人の姿が脳裏に浮かびます。私が自分の心に『禁止令』を出すきっかけになった言葉……それを私に言っていたのは『親』か『学校の先生』でした。つまり、ほぼ子ども時代の記憶です。
チェックが入った例で言うと【好きな仕事では食べていけない】がありました。
私は小さな頃から絵を描くのが好きでしたが「絵は仕事にするのが難しい。手堅い仕事を選んで絵は趣味程度にしておけ」ということをいつも親や学校から言われていました。
気づけば私は知らず知らず絵を仕事にする道を目指さず、なるべく絵と関わりのない手堅い職を選んで生きていたのです。しかし、子どもを産み育てながら会社員として働くことが困難になり、その時の環境で出来ることとして残っていたことは絵を描くこと……。出来ることを少しずつ続けていたら収入を得られるようになりました。
絵で収入を得る事に未だ堂々と出来ないところがありましたが、ワークで許可の言葉を言ってもらったことで心が軽くなりました。最終的に、出来ないと決めつけていたのはその言葉を言ってきた相手ではなく自分自身だったのです。
とはいえ、そうやって子どもの頃に命令されたことや否定された言葉は思った以上に大人になっても心に残り、行動に影響してしまう……ということなんです。
祝と呪の漢字は語源が同じという話を知っていますか。
祝は相手のために祈りを捧げること。呪は相手のために口に出すことと言われています。
ことばは思った以上に『禁止令』として相手の心に呪いとして残るのです。それは、純粋な子どもならことさら……。
だからこそ軽はずみに相手の可能性や能力を押し込めるようなことばを向けることは、相手の未来に影響を与えてしまうという自覚は持っておく必要がありますね。
皆さんは自分にかかっている『禁止令』の呪いに気づいていますか。
また、誰かに呪いのことばをかけてしまっていませんか。
かけられてしまっている呪いにも、かけてしまった呪いにも……今からでも『許可』を出してあげてください。ひとつひとつ許可していくだけで心がとっても軽くなります。誰かに「◯◯していいんだよ」と、口に出して言ってもらうとさらに効果的です。
実は……人の可能性って『禁止』されていなければ無限なんですよ。