失敗ってしちゃだめなの?
失敗って良くないことなの?
子育てで『成功体験を積ませる』ことはとても大切なことだと多くの育児書などには書かれています。しかし私は『失敗体験を積ませる』こともそれと同じぐらい大切だと思っています。何をやっても成功しかしないのでは大きな学びはありません。
私は守ってくれる大人がいるうちにいっぱい転んでおいた方がいいと思う方なのですが、大人はすぐに転ばぬ先の杖を与えがちです。
失敗すると恥ずかしかったり、つらいこともあったりする。だからこそ失敗しないようにさせてあげようと思う気持ちはわかります。でも、上手な転び方って、転ぶことでしか覚えられないんですよね。
少し前に『日本を失敗できない国にしない』ということばを見かけました。
私はこの失敗『できない』国に『しない』という、二重否定の目標がすでに失敗を恐れているように感じてしまいました。
『失敗できない国にしない』ということはつまり『失敗できる国にする』ということ。さらに言うならば私は『失敗しても大丈夫』が理想ではないかなと思っています。
大切なのは目標ではありません。目標になると、達成出来なければ失敗になるからです。チャレンジする人に必要なのは目標ではなく、『失敗しても大丈夫、何とかなるよ』という社会が作り出す安心感ではないでしょうか。
今回のお話で出てくるヒナタのクッキーのように「形が悪くても美味しいなら成功」という考え方も大事だと思います。もしも形が良くても焦げたら失敗でしょうか。
失敗したと感じたところには「上手に型抜きするためにはどうしたらいいかな」「焦がさないために前より時間を短くしよう」という考え方が生まれます。形で失敗しても味が美味しいなら成功。焦がしたとしても上手に抜けたところは成功、と、失敗の中の成功を探すことも大切なことです。
かの発明王トーマス・エジソンも、うまくいかない一万通りの方法を発見出来たからこそ、うまくいく一つの方法を見つけ出せるという言葉を残しています。
失敗は成功の元、なんてことばもありますが、失敗するからこそ得るものもあるのです。
失敗という言葉は「敗北を失う」と書きます。実は失敗することこそがむしろ成功そのものなのかもしれませんね。
だからこそみんなもっと気軽に失敗していいと思うのです。
失敗した人をみんなで責め立てる社会より、みんながお互い堂々といっぱい失敗して、みんなが失敗の中からそれぞれの成功を見つけるまで、お互いに「大丈夫」を言い合える社会の方が素敵だと思いませんか。