教えてくれたのは……小松裕 院長
駒澤大学駅にある「医療法人社団龍生会 Teo(ティオ)デンタルオフィス」の院長。矯正歯科、インプラント、審美治療、顎関節症、小児歯科、一般歯科全般を担当。老若男女を問わず幅広い患者様にとって利用しやすいクリニックを目指している。安全な治療を提供するために、CT(コンピューター断層撮影)等を用いた的確な診断も実施。
40代女性に多い「5つの口腔トラブル」とは
小松院長によると、40代女性に多く見られる口腔内トラブルは以下の5つが挙げられるとのこと。当てはまるものがある場合は、早めに診察や治療を受けることが大切です。それぞれのポイントを解説していただきました。
1.「歯周病」
40代は歯周病の症状が現れ始める年代です。
若年期からの汚れの蓄積、免疫力の低下、咬合性外傷による歯周組織の破壊など、これらの原因が積み重なることで歯周病の発症に気づくことがあります。
また、レッドコンプレックスと呼ばれる悪玉歯周病菌の数も増えます。
2.「歯の変化や消耗」
歯のひび割れ、噛み合わせによる歯のすり減り、ぐらつきなどの咬合性外傷も見られるようになります。
歯は、食事や睡眠時の歯ぎしりなどで消耗していく体の器官です。永久歯は6歳ごろから生え替わり、12歳ごろに生え揃います。30年以上使用していることになるため、トラブルが起こりやすくなるのです。
3.「治療した歯の被せ物などの劣化」
20代、30代で虫歯治療をした部分に問題が出てくることもあります。治療後10~20年が経過すると、治療した箇所が劣化する可能性も。特に金属による治療をおこなった部分の場合、金属の変形や腐食などが見られることがあります。
4.「口腔内乾燥」
加齢により、口腔が乾燥しやすくなる傾向があります。口腔内の乾燥は唾液の分泌不足で起こり、虫歯、歯周病、口臭の原因になります。
5.「口臭」
歯周病、銀歯の劣化、唾液の分泌不足などにより、口臭が発生することがあります。
口臭の原因は「口腔以外」に問題がある場合も
上記のように、口臭の原因は「口腔に問題がある場合」はもちろんのこと、じつは「“口腔以外”に問題がある場合」もあると、小松院長はおっしゃいます。
臭いの種類にも特徴が見られることもあるそうなので、口臭が気になる方は当てはまるものがないかをチェックしてみてくださいね。
口腔内に問題がある場合
1.歯周病
歯周病菌が発する硫化水素のガスが口臭の原因となります。出血や排膿もしていると、より不快な臭いが発生することがあります。
2.金属
金属と歯垢が化学反応を起こし、メチルメルカプタンというガスが発生します。腐食を引き起こし、不快な臭いの原因となります。
3.不十分な歯みがき
食べかすが腐敗し、悪臭のガスを放つことがあります。歯みがきが不十分であると、歯周病を引き起こす可能性があります。
これらが混ざると、非常に不快な口臭に。腐った玉ねぎや白菜のような臭いと表現する方もいます。
口腔以外の部分に問題がある場合
1.消化器系の疾患がある
胃などの胃潰瘍、胃癌、などの消化器系の疾患が原因になることがあります。
2.糖尿病
糖尿病の方は、アセトン臭を感じることがあります。
3.呼吸器疾患で鼻が詰まっている
花粉症やアレルギー性鼻炎による口呼吸は、口腔内の乾燥を引き起こし、口臭の一因となります。
4.食事内容
ニンニク、ネギ類、植物性油脂、添加物が多く含まれる食品は、口臭や体臭を引き起こす原因となることがあります。
口臭が発生しやすい方には、生活習慣に特徴があることもポイントになるのだそうです。次回の記事では「口臭がある人の8つの生活習慣」と「口臭を予防するための対策」をご紹介します。