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「大腸がん」と「小腸がん」の決定的な違い“3つのポイント”

心と体

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2026.11.07

大腸がんはよく知られている病気ですが、実は小腸にもがんが発生することがあります。ただし、小腸がんは大腸がんと比べて発生頻度が低く、症状の現れ方や発見のしやすさにも違いがあるのだそうです。今回は、天王寺やすえ消化器内科・内視鏡クリニック院長の安江 千尋先生に「大腸がんと小腸がんの発生頻度や症状、発見のしやすさの違い」について教えていただきました。

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連載:40代女性に役立つ健康知識

教えてくれたのは……安江 千尋先生

安江 千尋先生

天王寺やすえ消化器内科・内視鏡クリニック院長。日本消化器病学会専門医。がん研究会有明病院下部消化管内科のスタッフとして、約8年にわたり数多くの内視鏡検査や治療、レジデントの指導に従事。「胃がんや大腸がんでお亡くなりになる方をゼロにする」という理念のもと、専門性を生かした診療に取り組んでいる。

大腸がんと小腸がんの大きな違い「3つのポイント」

前回の記事では、40代女性が確認したい「大腸がんのリスクチェックリスト」についてご紹介しました。大腸がんはよく知られている病気ですが、実は小腸にもがんが発生することがあります。ただし、小腸がんは大腸がんと比べると非常に珍しい病気なのだそうです。両者には、どのような違いがあるのでしょうか。

体内イラスト出典:stock.adobe.com

安江先生「大腸がんと小腸がんの大きな違いは、発生する頻度や腫瘍の種類、症状の現れ方、そして発見のしやすさにあります。

大腸は主に水分を吸収して便をつくる臓器で、結腸と直腸に分かれています。一方、小腸は胃と大腸の間にあり、食べ物を消化し、栄養を吸収する働きを担っています。小腸は十二指腸、空腸、回腸の3つに分かれ、全長は数メートルに及びます。意外かもしれませんが、小腸は大腸よりも長い臓器であるにもかかわらず、がんが発生する頻度は非常に低いことが知られています」

発生頻度と腫瘍の種類、症状の現れ方、発見のしやすさの3つに分けて、それぞれの特徴を安江先生に解説していただきました。

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1.「発生する頻度」や「腫瘍の種類」の違い

大腸・小腸出典:stock.adobe.com

安江先生「大腸がんは、日本では年間約15〜16万人が新たに診断される、患者数の多いがんのひとつです。これに対して、小腸に発生する『腺がん』は非常に珍しく、全悪性腫瘍の0.5%以下、消化管の悪性腫瘍の3%以下と報告されています。ただし、この数字は小腸の『腺がん』に関するものであり、小腸の悪性腫瘍全体の患者数を示しているわけではありません。

小腸には腺がんのほかにも、神経内分泌腫瘍、悪性リンパ腫、消化管間質腫瘍(GIST)など、性質の異なる腫瘍が発生します。これらは発生する細胞も治療方法も異なります。そのため、『小腸がん』という言葉で一括りにせず、どの種類の腫瘍なのかを正確に診断することが重要です」

小腸がんが少ない理由

なぜ、小腸ではがんが発生する頻度が低いのでしょうか。

安江先生「小腸がんが少ない理由は、現在も完全には解明されていません。小腸では内容物が比較的速く通過することや、消化液の働き、腸の免疫機能などが関係している可能性が指摘されていますが、いずれも小腸がんが少ない理由を十分に説明できるものではありません。

ただ、小腸がんは一般的には珍しい病気ですが、クローン病、リンチ症候群、家族性大腸腺腫症、ポイツ・ジェガース症候群などがある方では、小腸腺がんの発症リスクが高くなる場合があり、注意が必要になることがあります」

2.「症状の現れ方」の違い

安江先生「大腸がんと小腸がんは、どちらも初期には自覚症状がほとんどないことがあります。また、腹痛、出血、貧血、体重減少など、共通する症状も多いため、症状だけでどちらの病気かを判断することは困難です。ただし、腫瘍がどのような影響を腸に与えているかによって、症状の現れ方には違いがあります」

大腸がんでは「便通の変化や血便」が手がかりになることがある

トイレ出典:stock.adobe.com

安江先生「大腸がんでは、血便、便秘や下痢などの便通異常、腹痛、腹部膨満感、貧血などが現れることがあります。特に左側の大腸や直腸にがんができると、腸の内側が狭くなることで便通の状態が変化したり、血便や残便感が現れたりする場合があります。

一方、右側の大腸では、便が比較的柔らかく、腸の内腔も広いため、がんができても便通異常が目立たないことがあります。その代わり、少量の出血が続くことで鉄欠乏性貧血を起こし、疲れやすさや息切れなどをきっかけに発見される場合があります」

小腸がんでは「腹痛や吐き気、貧血」などが手がかりになることがある

胃の痛み出典:stock.adobe.com

安江先生「小腸がんでも、腹痛、吐き気、嘔吐、腹部膨満感、貧血、体重減少などが現れることがあります。特に注意したいのが、腫瘍によって小腸の通り道が狭くなる場合です。

小腸は、食べ物や消化液が流れる通り道です。腫瘍によって腸が狭くなると、内容物が通過しにくくなり、腹痛や吐き気、お腹の張りなどが現れます。症状が進むと、腸の内容物が通過できなくなる『腸閉塞』を起こすこともあります。

ただし、腸閉塞は大腸がんでも起こります。また、小腸の腫瘍でも、腸の壁の外側に向かって大きくなるタイプでは、腸の通り道が狭くならず、こうした症状が目立たない場合があります。つまり、大腸がんと小腸がんの症状の違いは、発生した臓器だけでなく、腫瘍の位置やどのように大きくなるかにも左右されるのです」

小腸の病気でも血便は出る?

トイレ問題で悩む女性出典:stock.adobe.com

安江先生「小腸の病気でも血便が出ることがあります。たとえば、小腸の腫瘍、潰瘍、血管の異常、クローン病などによって、小腸から出血する場合があります。

小腸から出血した血液は、腸の中を通過する間に変化し、黒っぽい便として現れることがあります。一方、出血量が多く、血液が速く腸を通過した場合には、赤い血便として現れることもあります。逆に、大腸の右側からの出血でも、暗赤色の便になる場合があります。さらに、黒色便では胃や十二指腸からの出血も重要な原因になります。

そのため、便の色だけで出血している場所を正確に判断することはできません。また、血便の原因はがんだけではありません。痔や腸炎、憩室出血などでも起こります。『赤い血便だから痔』『黒い便だから小腸の病気』といった自己判断は避け、出血の原因を確認することが大切です」

3.「発見のしやすさ」の違い

腹痛を訴える女性出典:stock.adobe.com

安江先生「大腸は大腸カメラで全体を直接観察できますが、小腸は長く複雑な構造をしているため、通常の胃カメラや大腸カメラだけでは全体を観察できません。さらに、小腸がんは初期には症状が乏しく、症状が現れても腹痛や貧血など、ほかの病気でも起こる症状であることが少なくありません。そのため、診断に時間がかかる場合があります。

大腸がんは患者数が多く、検診による早期発見の仕組みが整っている一方、小腸がんは非常に珍しく、一般の方を対象とした定期的な検診も確立していません。この点が、両者の大きな違いといえます」

通常の胃カメラや大腸カメラでは全体を観察できず、発見が難しいこともある小腸がん。小腸の病気を調べるには、どのような検査が行われるのでしょうか。次回の記事では、「小腸の検査方法」について詳しくご紹介します。

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著者

shukana

shukana

webライター

小学生、幼稚園児の男の子のママ。出産前まで紳士服業界に携わり、TES(繊維製品品質管理士)の資格を取得。 暮らしをより楽しく、よりラクに過ごすための方法を日々模索中です。

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