「愛することに、知性が必要」という言葉
最近、たて続けに”夫婦”がテーマの作品を見た。
1つは、『À Table!〜歴史のレシピを作ってたべる〜』。もう一つは、『佐藤さんと佐藤さん』。どちらもまったく違う夫婦を描いているのに、不思議と共通して胸に残るものがあった。
『À Table!〜歴史のレシピを作ってたべる〜』は、歴史上の人物が食べたものを、現在の食材で再現して食べることを楽しむ夫婦の話。
キャストも映像も素晴らしくて、全12話をあっという間に見終えてしまった。
結婚15年。子どもはいない夫婦。夫は、仕事で長野と東京の自宅を行ったり来たりの生活。2人で過ごす時間は、夫婦で買い物に行き、夫婦でキッチンに立つ。
「こんな夫婦いる?」と思わず言ってしまった。それは、否定ではなく憧れから出てくる言葉。
作品に出てくる夫さんは、我が家の夫とはキャラが違う。夫のことは、「この人は、こういう人」と理解した上で好きなのだけど、ドラマに出てくる夫さんは、「こういう旦那さんいいなぁ」と思うキャラクターなのだ。
「素敵だなぁ」と思いながら見進めていくと、夫婦のすれ違いや、妻が悩むシーンなんかがでてくる。
「夫婦のことは、夫婦にしかわからない」とは、まさにこういうことなんだろうなと思いながら、
ドラマの中で印象に残っているセリフがある。
「愛することって、努力と知性が必要なの。自分を愛するには努力が必要。人を愛するには知性が必要」
このドラマの中には、深い部分に響く言葉がたくさん出てきた。
「なんでわかってくれない」の正体
もう1つの作品は、『佐藤さんと佐藤さん』。
学生時代に出会った同じ苗字の2人が恋をして、結婚、妊娠、出産を経て過ごした15年の話。
作品の中で、佐藤さんと佐藤さんは、よくケンカをする。2人のケンカのシーンを観ていると、ストレスを感じた。「そりゃ、そうなるよ」という展開ではあるのだけど、「いや、お互いに落ち着いて……」と思い、無意識にため息が出るほどだった。
この作品もまた、キャストがすごくいいし、演技も素晴らしい。なので、映画を観ているというよりも、どこかの夫婦の日常をのぞき見しているような気持ちになる。
2人の15年はものすごくリアルで、結婚して最初の数年、よく夫とケンカしていたときのことを思い出した。きっと、「これ、うちじゃん……」と思いながら観る人はは少なくないはず。
佐藤さんと佐藤さんは、15年の間たくさんケンカをして、ぶつかり合うんだけど、ベースはずっとお互いのことが好きだ。
「なんで俺ばっかり!!」「私の方が我慢してる!」
そんな夫婦ケンカが続くけど、2人は大切なことは言葉にして伝えず、心の中だけで、「好き」を温めている。そして、その気持ちは伝わっているという前提で相手に期待をするから、「なんで?」という悪循環になる。
今、夫婦関係の中で、「なんで、私(俺)のこと、わかってくれないんだろう」と感じている人は、『佐藤さんと佐藤さん』を俯瞰して観てみると良い。
佐藤さん夫婦を見て感じることの中に、あなたを悩ませている夫婦関係を改善するヒントが隠されている。
幸せを感じることを、遠慮しない
特に意味があったわけでもなく、ただなんとなく続けて観ることになった2作品から、「夫婦とは」「幸せに生きるとは」のヒントをたくさん受け取った。
どの夫婦にも効く、「夫婦円満の秘訣」なんてないのかもしれない。だって、夫婦の数だけ夫婦の形があるのだから。
でも、同じ時代に生まれて、出会って、お互いに惹かれて夫婦になったのなら、やはりその関係は、我慢や妥協で続けるのではなく、豊かに満ち足りたものとして続けていきたいと思うことが自然だろう。
「毎日、毎日、相手に対して愚痴しかでてこないけど、それでも夫婦でいたい」と思うなんて、健全な関係とは言えない。
人は、良いことがあると、それと同じか、もしくはその倍くらいイヤなことが起こる。と考えがち。
でも、本当にそうだろうか。生きている限り、いやなことだって起こる。けどそれは、捉え方次第でもある。
「良いこと」と「イヤなこと」は、必ずセットでやってくる。それだったら、「良いこと」も起こらなくていい。起こったとしても、大袈裟に喜んだりしちゃいけない。
そんな風に思って生きていたら、きっと「イヤなこと」ばかりに意識がいって、どんどんイヤなことを引き寄せてしまう。
だからこそ夫婦は、「今、この瞬間の幸せ、喜び」を、誰に遠慮することなく感じてほしいなと、今回、この2作品を見て改めて思った。
もし、このコラムを見て、夫婦関係について感じることがあったなら、「本当はどう感じてる?」と自分に問いかけてみて。そして、その気持ちをひとつだけパートナーに伝えてみてほしい。



