「フルハウス」を見て夢見た生活
海外ドラマが好きだ。
最初にハマった海外ドラマは、「フルハウス」。
このドラマの影響で、「いつか子どもを産んだら、大人がたくさんいる環境で子どもを育てたい」と思った私は、妊娠7ヵ月のときに夫の実家に引っ越しをし、里帰り出産後の1年、夫の両親、弟2人、私たち家族3人。大人6人、赤ちゃん1人という環境で子育てをスタートした。
子どもの頃に見ていたドラマを見て心に決めていたことを叶えたのだ。
その後、続編となる「フラーハウス」の撮影が日本で行われ、メインキャストが来日した際にインタビューをする機会を得た私は、ダニー役のボブ・サゲット、ダニーの親友、ジョーイ役のデイブ・クーリエ、D.J.役のキャンディス・キャメロン・ブレ、ステファニー役のジョディ・スウィーティン、D.J.の親友、キミー役のアンドレア・バーバーを前に、「私は、フルハウスを見て育ったので、夫の実家で大人が6人いる環境で子育てをスタートしました」ということを伝えることができた。
キャストのみなさんは、「それは素晴らしいね!」と言ってくれた。
小学生の頃から見ていた海外ドラマのキャストたちが目の前にいて、そのドラマを見て夢見ていたことを叶えたということをご本人たちに直接伝えられたというこの経験は、私の人生の中でも宝のような体験となった。
振り返ると、私の人生は好きな海外ドラマの影響をたくさん受けている。
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セックスに対しての価値観
私は、家事をしながら海外ドラマを見る。ずっと画面を見ていることはできなくても、流しながら見るのが好きなのだ。
気に入っているドラマを何度も何度も繰り返し見るタイプ。好きなドラマはセリフを覚えているものたくさんある。
最近、久しぶりに見返していたのは、「プライベート・プラクティス」。「グレイズ・アナトミー」のスピンオフドラマで、私はこの2つのドラマを繰り返し見ている。
「プライベート・プラクティス」に限らず、海外ドラマを見ていて思うのは、パートナーとのセックスをとても大事なことだと捉えているということ。
海外の方とお付き合いをしたことがないので実際のところはわからないけども、ドラマを見ている限り、日本人と海外の方では”セックス”に対しての価値観が随分違うなということがわかる。
これまで、泌尿器科の先生や夫婦カウンセラーの方にセックスレスをテーマにインタビューをしたことがある。日本では、50%近くの夫婦がセックスレスだという。
セックスがなくても仲が良い夫婦はいる。なくても良いと、お互いが納得して成り立つ関係というのもあるだろう。
けど、どちらか一方が求めていて、一方は応えないという夫婦関係は、できれば改善できると良い。
「プライベート・プラクティス」を見ていると、職場の仲間たちとセックスをテーマに会話するシーンがものすごく多い。パートナー同士でもそのことについてしっかり話し合う。
どちらかが、「できない」という状況になったら、カウンセリングに行く。ドラマを見ている限り、彼らは”しない状態”をそのままにしない。
これが、日本人との大きな違いだなぁと思う。
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海外ドラマが教えてくれたこと
「海外の人って、仕事中にセックスしすぎじゃない?」。
ある時、海外生活の経験がある友人にそんな質問をしたら、「それは、ドラマの話だから」と言われたことがある。
けど、ドラマであれだけ描かれるということは、そういうことがなきにしもあらずなのではないかと思っている。
仕事中に職場でするのはいかがなものかと思うけども、パートナーとの関係をより良くするための手段として、セックスはとても重要だということを理解することは大事だと思う。
我が家も、一時はレスの時期があった。「このまま一生しないんだろうか」と悩んだこともある。
そのときに私が取った行動は、”しない状態”をそのままにしないということだった。
今思うと、これ完全に海外ドラマの影響を受けている(笑)。でも、その行動をしたことで、セックスに対してのお互いの考えも話し合えて悩みを解決することができた。
夫婦の数だけ悩みがあって、その解決方法も夫婦の数だけあるのだと思う。
レスはだめ! したほうがいい! そう思うけど、現実はそんなシンプルじゃない。
でも、それぞれの夫婦に、”2人が納得する解決方法”があるはず。縁あって出会い、好きになって人生を共にすると決めた相手との人生。
諦めたり、我慢したりするのではなく、2人でより良くする方法を話し合えたら良いなと思う。
うちの夫も、本来はそういう話し合いがとても苦手なタイプだったけど、「夫婦として生きていくって決めたなら、逃げられないわよ」という私の圧に負けて(?)、向き合うことから逃げなかった。
そうだ。結婚前も結婚後も、子どもができるまでは2人でよく海外ドラマを見ていたんだけど、そのとき一番一緒に見たドラマが、「セックス・アンド・ザ・シティ」だった。
海外ドラマを見ながら育ち、今も見続けている私の人生は、見てきたドラマに影響されまくっている。けれど、それが私にとってのリアルで、学びで、時に救いでもあるのだ。ドラマのようにはいかなくても、人生は自分が望むように生きて良いと知っている。そんな勇気を、海外ドラマからもらってきたのかもしれない。