自分を褒めるとしたら、どこを褒める?
「自分のこと、褒めてますか?」
セッションで、私がクライアントさんによく聞く質問。
すると、多くの人が少し考えてから、こう答える。
「……あまり考えたことがないです」
「自分を褒めるなんて、したことないです」
中には、「頑張った時は自分を認めるようにしています」と言う人もいるけれど、日常的に自分自身に、「よくやってるね」と声をかけている人は少ない。
でも、そういう人ほど、周りの人のことを褒めるのがとても上手だったりする。
「あの人は優しい」
「いつも気遣いができる」
「あの人のこういうところが素敵」
人の良いところを見つける力がある。相手の魅力を見つけることに関しては、ものすごい才能が発揮される。
なのに、その視線を自分に向けた瞬間、急に見えなくなる。
「私に良いところなんてあるかな」
「特別なことは何もしていないし」
そんなふうに、自分に対してだけ評価が厳しくなる。不思議なことに、人は自分のことになると、一番大切に見るべき存在を一番後回しにしてしまう。
自分が当たり前だと思っていることこそ、褒めていい
私たちは、できなかったことや足りないものに意識を向けることが多い。
もっと頑張らなきゃ。
もっと成長しなきゃ。
もっとできるようにならなきゃ。
そうやって前に進んできた人ほど、自分を認める時間が少なくなっている。
でも、日々の中には、自分では気づいていない頑張りがたくさんある。
朝起きて、やるべきことをやったこと。
誰かに優しい言葉をかけたこと。
嫌なことがあっても投げ出さずに向き合ったこと。
本当は疲れていたのに、笑顔で過ごしたこと。
自分にとっては、「普通」と感じることも、誰かから見たら十分すごいことかもしれない。だって、大切な友人が同じことをしていたら、きっとこう言うはず。
「よく頑張ってるね」
「ちゃんと前に進んでるね」
なのに、自分にはなかなか言えない。本当は誰よりも自分自身が、自分の頑張りを知っているはずなのに。
見逃していた小さな努力を、自分が拾ってあげることが大切だということに気づいてほしい。
自分を褒めることは、自分との関係を深めること
自分を褒めるというと、「自分はすごい」と思い込むことだと思う人もいるかもしれない。でも、私が思う自分を褒めるということは、もっとシンプルなもの。
「今日もよくやったね」
「本当は大変だったよね」
「ここまで来たこと、ちゃんと見ているよ」
そんなふうに、自分自身に温かい言葉をかけること。それは、自分との信頼関係を作ることにつながる。
誰かに認めてもらうことだけで、自分の価値を決めない。結果が出た時だけ、自分を認めるのではない。
何かを達成した自分だけではなく、そこに向かって歩いている途中の自分にも、ちゃんと目を向ける。
自分を褒めることが上手な人ほど、人生の中で自分に必要なものを受け取りやすくなる。
なぜなら、自分を大切に扱う人は、自分が幸せになることを自然に許せるから。
まずは今日ひとつだけ。
「私、よくやってる」
そう自分に伝えてみる。その小さな言葉が、自分自身との関係を変えていくきっかけになるはずだから。



