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「会話が苦手。緊張して話が詰まって変な空気になるので人付き合いを避けてしまう…」46歳女性の相談

家族・人間関係

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 46歳女性の相談

2023.01.06

心理カウンセラーの古庄由佳です。カウンセリングに来てくださる方には「うさこさん」と呼ばれています。 自分の心に蓋をして、我慢を続けて生きるのはとてもしんどいですよね。最近はスマホやSNSのおかげで情報が溢れてすぎているためか「自分の考え方がおかしいのかも」「私だけじゃないし」とガマンしてしまっていることもあるようです。自分の人生をHappyにするかどうかは自分が決めると信じて、皆さんのお悩みに答えます。

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連載:心理カウンセラーうさこの「心を軽くする考え方」

相談:会話がとにかく苦手。人と関わる自分が嫌いで人付き合いを避けてしまう。

ひとりで悲しむ女性出典:stock.adobe.com

(大阪府   グリベル 46歳)

はじめまして。46歳のパート主婦、子供はいません。

幼い頃から「おっとりしてるね」「マイペースだね」などと言われます。関西人なので、周りのノリに合わせる事に一生懸命生きてきた気がします。

気が付けば嫌われている事も何度もあります。人と関わるのが苦手なのです。
特に会話、複数の集まりの中で自分の話をする事に苦手意識が強くあります。

自分の事を話してもつまらない、ホントは皆興味ないだろうに、気を遣って話をふってくれてる…。申し訳ない…。みんなの意識が私の言葉を待っていると、緊張して余計言葉に詰まり、変な空気にしてしまって落ち込む…。負のループです。

人嫌いではないけど、人と関わる自分が嫌いで人付き合いを避けてしまいます。
主人とは仲良しですが、私のせいで老後が寂しいものになるのでは…と、とても申し訳ない気持ちになります。
このままではダメだと思って、職場でも頑張って会話をしてみますが、空回りします。
とても疲れています。
ご助言頂ければ幸いです。宜しくお願い致します。
 

「セルフイメージ」を変えてみよう!

回答

人と関わること、特に会話が苦手だと感じていらっしゃるのですね。
 
「人嫌いではない」「職場でも頑張って会話をしてみますが」という部分から、本当はまわりの人たちと楽しく仲良く関わりたいと思っていることが伝わってきました。だからこそ、それができないと感じて、悩んでしまうんですよね。

グリベルさんが、人と関わることや会話することを苦手にしてしまっている原因は、おそらくご自身で書かれている心の声にありそうです。
 
「自分の事を話してもつまらない、ホントは皆興味ないだろうに、気を遣って話をふってくれてる…。申し訳ない…」
ここですね。

こんなふうに感じるということは、きっとグリベルさんの中に、
「私はつまらない人間だ」「私は人を楽しませられない」「そんな自分はダメだ」
といった思い込みがあるのではないかなと思います。
 
こうした自分に対する思い込みを「セルフイメージ」とよぶのですが、私たちにはどうも自分が信じているセルフイメージ通りに現実を作ってしまう習性があるようです。
 
たとえば、こんなふうに。

1「私はつまらない。そんな自分はダメだ」と思う。

2「だから人を楽しませないと!」と自分に強制する。

3、強制された自分が焦って緊張する。

4、緊張してうまく関われない。

5、結果、「やっぱり楽ませられなかった」と自分を責める。

グリベルさんのおっしゃる通り、これは「負のループ」ですね。
じゃあこのループを抜け出すためには、どうすればいいでしょう。

この流れを見てみると、「そのままの自分はダメだ」と否定しているところが出発点になっていますので、そこを変えましょう。
というわけで、今日からは、「私はいるだけで楽しい人」と自分のことを思ってみてください。

おもしろい話ができなくても、会話のテンポが人よりおっとりでも、上手に会話のキャッチボールができなくても、グリベルさんは「一緒にいるだけで楽しい人」。自分に対してこんなふうに信じることができたら、もう「楽しませないと!」と強制する必要がなくなりますよね。
「え?でも、そんなふうに思えない…」と抵抗を感じるようでしたら、まずは「かも」をつけて「私って一緒にいるだけで楽しい人かも?」と思ってみることから始めてみてください。

とにかく大切なのは、偽らないそのままの自分で、人と一緒にいてみること。きっとご夫婦でいる時はそれができているから、「仲良し」なのだと思うのです。

自分を否定して「楽しませないと!」と頑張っていると、その場をリラックスして楽しむことができませんよね。人の話も上の空になっちゃうかもしれません。一方で、「そのままの自分で人と一緒にいていいんだ」と安心できていると、一緒にいる人たちのおしゃべりや気持ちをしっかりと受け止めることができます。

自分のことをちゃんと見て受け止めてくれるって、相手からしたらとってもうれしいです。だから、もっと一緒にいたくなる。
ほら。こうして「一緒にいるだけで楽しい人」のセルフイメージ通りになってきました。

そのままの自分でその場を味わっていると、自然と気持ちや言葉が出てきます。それこそが本当の会話の楽しみ方。そして自然と表情や声に自分らしさがあふれてきます。それこそがグリベルさん本来の魅力。

グリベルさんは「いるだけで楽しい人」です。ぜひ自分へのダメ出しをやめて、心地いいループを始めてみてくださいね。
 

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著者

古庄由佳さん

古庄由佳(うさこ)

17歳の頃に、徐々に視機能が失われていく難病であると診断される。病気に負けず頑張りたいのに、体も心も人間関係もどんどん壊してしまう。そんな生きづらさから、心のことを学び始める。2012年より、心理カウンセラー、セミナー講師、心理スクール講師として活動。自分との仲直りをテーマに、本来の魅力や才能を解き放っていく心理カウンセリングの他、病気からのサインを受け取り、本来の自分らしい人生を取り戻していく卒病カウンセリングも好評。20年近く住んでいた東京を離れ、2019年に福岡県糸島市に移住。著書は「心屋流 戦わないで生きていく」「心屋流 がんばらないレッスン」(ともにPHP研究所)。

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