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「不妊治療を終えようと考えているけど、最後のふんぎりがつかないんです…。」不妊治療に悩む42歳女性

家族・人間関係

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2023.03.29

心理カウンセラーの古庄由佳です。カウンセリングに来てくださる方には「うさこさん」と呼ばれています。 自分の心に蓋をして、我慢を続けて生きるのはとてもしんどいですよね。最近はスマホやSNSのおかげで情報が溢れてすぎているためか「自分の考え方がおかしいのかも」「私だけじゃないし」とガマンしてしまっていることもあるようです。自分の人生をHappyにするかどうかは自分が決めると信じて、皆さんのお悩みに答えます。

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連載:心理カウンセラーうさこの「心を軽くする考え方」

相談:不妊治療をもう終えようと考えていますが、最後のふんぎりがつきません。

悩む女性出典:stock.adobe.com

(福岡県 ユカリ 42歳)

今不妊治療をしています。
私が子どものころから、家族3人で暮らすのが夢でした。なので、ここ5年くらい不妊治療をがんばってきたのですが、お金が掛かるのもありますが、ゴールが見えずもう疲れきってしまいました。

夫とは価値観も合い、正直二人で歩む人生もいいな、と思っている自分もいるので不妊治療をあきらめようかとも考えています。

ただいざそうなると、本当にそれで後悔しないのか?と不安に襲われるのです。
子どもがいてもいなくても幸せな人はたくさんいると思うのですが、どう考えて決断したらいいのかわかりません……。

まずこの5年間を誇りに。

回答

5年間も不妊治療をがんばってこられたのですね。
お金の面はもちろん、心身面でも、時間・労力の面でも、たくさんのエネルギーを注いでこられたことと思います。
そのくらいにご夫婦にとってすごく大切なことだからこそ、「どう考えて決断したらいいか」と迷ってしまうのですよね。
 
「こんなにがんばっているユカリさんご夫婦の夢が、どうか叶ってほしい!」と私も心から思います。
 
ですが、今、何よりも一番にケアしてほしいのは、「疲れ切ってしまった」と感じているユカリさんの心と体です。
 
まずは、「家族3人で暮らしたい」という夢に向かってまっすぐにがんばってこられたご自身を、たっぷりと労い、褒めてあげてください。
 
「今までよくやってきたね」
「本当によくがんばってきたよね」
「ここまでがんばってきてくれてありがとう」
 
ご自分の心と体に、こんなふうにやさしく声をかけてあげてください。
 
声をかけていると、ずっとずっと望んできた愛おしい存在にまだ出会えていないことに、たくさんの悲しみが湧き上がってくるかもしれません。そうしたら、湧き上がってくる悲しみも、心と体でたっぷりと感じて、抱きしめてあげてください。
 
あきらめるとなると「本当にそれで後悔しないのか?と不安に襲われる」と書かれています。
 
本当に、そうですよね。
どんなに後悔しない選択をしようとしたとしても、それが大切なものであればあるほど、何を選ぶべきか迷いに迷ったものであるほど、未来には、ふと後悔する瞬間もやってきてしまうかもしれません。
 
でも、そんな時は、思い出してください。「家族3人で暮らしたい」との想いで不妊治療に取り組まれてきたユカリさんは、産み、育てたかったまだ見ぬ赤ちゃんに対して、もうすでにたっぷりの愛を注いでこられたのではないでしょうか。だからこそ、疲れ切るまで5年間もがんばってこられたのではないでしょうか。
 
ご夫婦でも、これまでたくさん向き合ってこられたことと思います。こんなふうにご夫婦で協力しあえるって、本当に素晴らしいことです。「二人で歩む人生もいいな」と思えるパートナーシップを築かれていることこそが、不妊治療を通して、ご夫婦が信頼し合い、支え合ってこられた何よりの証拠だと思います。
 
3人目の家族に出会えたとしても、出会えなかったとしても、ユカリさんはもうすでにたくさんの愛を育まれています。どうぞご夫婦でがんばってこられたこの5年間を誇りに思ってくださいね。
 
「どんな未来がやってきても、大丈夫」
「どんな未来がやってきても、もうすでに私は幸せ」
 
そんなふうに口に出して言ってみると、どんな感じがするでしょうか。
 
これまでの自分と今の自分を認めて、思い描いていた通りではない未来を生きる自分も、後悔してしまうかもしれない未来の自分も、どんな自分がいることも許してあげられる時、ユカリさんの心と体は、ふんわりとゆるみ、本来の元気を取り戻していかれることと思います。
 
どうぞその状態で、ご夫婦にとってのベストな未来を決断してみてくださいね。きっと納得がいく選択ができるのではと思います。
 
その後は、もう神のみぞ知る領域です。「諦めたとたんに、赤ちゃんが」なんていうケースを耳にすることもありますし、そうなったらとても喜ばしいことですが、たとえそうならなかったとしても、望む未来に向かってまっすぐにがんばれるユカリさんなら、きっと自分らしさを生かしてますます素晴らしい未来を創っていくことができると思います。素敵なパートナーと歩まれる幸せな未来を、心から応援しています。
 

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著者

古庄由佳さん

古庄由佳(うさこ)

17歳の頃に、徐々に視機能が失われていく難病であると診断される。病気に負けず頑張りたいのに、体も心も人間関係もどんどん壊してしまう。そんな生きづらさから、心のことを学び始める。2012年より、心理カウンセラー、セミナー講師、心理スクール講師として活動。自分との仲直りをテーマに、本来の魅力や才能を解き放っていく心理カウンセリングの他、病気からのサインを受け取り、本来の自分らしい人生を取り戻していく卒病カウンセリングも好評。20年近く住んでいた東京を離れ、2019年に福岡県糸島市に移住。著書は「心屋流 戦わないで生きていく」「心屋流 がんばらないレッスン」(ともにPHP研究所)。

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