親の不安な気持ちをぶつけず、子どもを「信じる」
受験するのは子どもなのに、親がハラハラドキドキしてしまうのは、「子どもを応援したい」「子どもが希望するところに合格できるよう」という親ゴコロ。親なんだから「どーんと構えていなくちゃ」なんて、難しいですよね。親自身がハラハラドキドキしちゃうことも。でも、それも大事な気持ちですから受け止めましょう。
ただし、受験するのは子ども自身。ここは当たり前ではありますが、改めて認識しておくことが大切です。そして子どもの方がたぶん、きっとハラハラドキドキしているのです。だから、親が持った不安な気持ちを、子どもにぶつけるようなことは避けましょう。
「だらだらしない!」「もっと勉強した方がいいんじゃないの?」などなど、心配だからこそ、ついつい口に出してしまいがちな言葉です。でも、受験を直前に控えている子ども自身、自分のペースで勉強しているのかもしれません。頑張っているのに休憩しているときに目についたからと言って「だらだらしない!」って言われたら、カチンときますよね。
また、なかなか集中しにくいこともあるでしょう。そんな様子が見られれば、「調子はどう?」などと聞いてみましょう。「なんか集中しにくいんだよね」ということなら、「ママもそんなことあったけど、マラソンしてみたり気分転換に体を動かしてたよ」とか「図書館とか、カフェとか、場所を変えて勉強してみるのもいいかもね」など、体験談を話したり、気分転換の方法を提案してみるのも良いかもしれません。
親の不安は子どもに伝わるもの。「不合格だったらどうしよう」と考えすぎないことです。合格しても不合格でも、第一志望じゃなくても、「きっとこの子は大丈夫。自分の人生を生きていける」と信じることが大事です。
安心できる環境を「整える」
親自身、子どもの体調を気遣い、おいしいものを作って食べさせたり、塾や図書館に行くと言えば「寒くないか」と心配したり。家族によっていろいろだと思いますが、今までもたくさんの応援をしてきたことでしょう。でもやっぱり、親には応援することしかできないのです。
子ども自身も日によって食欲がなかったり、と言うこともあるかもしれません。そんな日でもやはり、なるべく生活リズムを守ってあげるよう、心がけたいですね。夜遅くまで勉強していて昼夜逆転になってしまうと、日中の試験時間に実力が発揮できません。子どもと相談しながら、起床時間を一定にし、食事をきちんと取ることをルーティーンにしましょう。
「家のことはやらなくていいから、受験勉強に集中して」という気持ちにもなりますが、子どもにとっては家事をちょっと手伝ったり、料理を作ることが気分転換になることもあります。あまり腫れ物に触るような対応にせず、普段通りを心がけましょう。
結果よりも経過を「認める」
合格したらもちろん、家族で大喜びしましょう。
でももし不合格だったときはどうでしょうか。子どもよりも親の方ががっかりする家庭も少なくありません。でも、一番ショックを受けたり悲しかったりしているのは、子ども自身です。
応援してくれた親に申し訳ない、「がっかりさせてしまった」と思っている子も少なくありません。「なぜ第1志望に受からなかったの?」「第2志望じゃ、ちょっとねー」などの言葉は、できれば子どもに投げかけないようにしたいものです。
私はキャリアコンサルタントでもありますが、キャリアの考え方としては今まで経験してきたこと、うまくいったこと、うまくいかなかったこと、がすべてキャリアになるということです。「偶然を必然にする力」が大事だとも言われています。
「第1志望に受からなかった」「第1志望の学校に入学できていたら…」という思いを引きずりながら、合格した第2志望の学校に行ったとしたら。その学校で学ぶ時間、先生や友だちとの出会いの時間に、心から打ち込めなかったり、楽しめなかったりするのではないでしょうか。
まずは、子どもが頑張った経過を認めましょう。入試では合格、不合格と線を引かれてしまいますが、親としては「今まで」を認めることが大切です。
そして、進路が決まったら、「これから先のスクールライフ、キャンパルライフをいかに楽しむか」という思考に切り替えていきましょう。子ども自身、第一志望に受からなかったことを引きずって気持ちがなかなか切り替わらないこともあるでしょう。そのようなときには、一緒に散歩するとか、映画を見るなど、親も少し気分転換に付き合ってみるのもいいですね。
受験シーズン、親が子どもにできる3つのキーワードは、「信じる」「整える」「認める」。
これは、受験に限らず、親子関係の中でも大事にしたい考え方です。子ども自身の力を信じ、困りごとに寄り添いつつ、応援していきましょう。
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