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48歳「夫に不倫されました。離婚したいけど後悔したくなくて踏み切れない……。」

家族・人間関係

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 心理カウンセラーうさこの心を軽くする考え方

2022.10.14

心理カウンセラーの古庄由佳です。カウンセリングに来てくださる方には「うさこさん」と呼ばれています。 自分の心に蓋をして、我慢を続けて生きるのはとてもしんどいですよね。最近はスマホやSNSのおかげで情報が溢れてすぎているためか「自分の考え方がおかしいのかも」「私だけじゃないし」とガマンしてしまっていることもあるようです。自分の人生をHappyにするかどうかは自分が決めると信じて、皆さんのお悩みに答えます。

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連載:心理カウンセラーうさこの「心を軽くする考え方」

相談:夫に不倫されました。離婚したいけど踏み切れない…

落ち込む女性出典:stock.adobe.com

(東京都 48歳 あゆみ)

19歳の娘と、15歳の息子、そして夫と4人家族です。

夫がトイレに行った時、スマホの画面が光ったので何気なく画面を見たところ、明らかに女の子の名前で「昨日はおいしいごはんありがとう!」のようなメッセージが表示されていました。

夫に「今なんかメッセージ来てたよ?」と言ったところ、大したものじゃないといいながらメッセージは見ずにテレビを見始めました。
実は以前にも同様のことがあり、もう不倫してると確信してます。
正直、こんなよくあるシチュエーションで不倫が発覚するとは…と、なんだか逆に冷静です。

子どもは大きくなったし、夫婦の関係も正直冷めきっていて2人で出かけることもなくなったので、この際離婚しちゃおうかなと思ったりしています。
周りにも離婚して趣味を楽しんでいる友人もいるし…と思いつつ、後悔はしたくないので迷います。

どのような判断軸で、決断するのが良いか、よろしければアドバイス頂けたらうれしいです。
 

主語を「私」にしてみてください

回答

ご相談ありがとうございます。
読ませていただいて、まず私が感じたことは、これまでの長い結婚生活を通して、あゆみさんの心には「がっかり」が幾重にも積み重なってしまったのかな、ということです。「がっかり」が「あきらめ」につながるほどに。
 
「以前にも同様のことがあり、もう不倫してると確信してます」「逆に冷静です」これらの言葉の裏側には、「もう傷つきたくない」という気持ちが隠れているように感じました。
 
「もう傷つきたくない」からこそ「何も感じないほうがいい」。そんなふうに、何も感じないように閉ざしておくことで、自分の心を守ってきた。もしかしたら、そんなところはありませんか?
 
もしそうかもと感じたら、まずは傷ついてきたご自身のことをやさしくいたわってあげてください。そして、「今までよくやってきたね」とたくさんねぎらってあげてください。
 
「どのような判断軸で、決断するのが良いか」と書かれています。
そんな時に意識してみてほしいこと。
それは、「主語を‘私’にすること」です。つまり、「軸を‘自分’に戻すこと」です。
 
と言うのも、「どうしたらいいかわからなくて動けない」。そういうときって、主語が私以外の人や状況になっていることが多いんですよね。
 
夫が他の女性と食事をしているようだ。2人で出かけることがないくらい、夫婦関係が冷めている。子供は……。まわりの人が……。
 
もちろん、状況に応じて、配慮したり、考慮したりする必要があることは発生するでしょう。それでもやはり、中心に置くべき軸は、自分の気持ちなんです。だって、‘私’の人生ですから。
 
そして同時に、「どうしたらいいかわからないとき」は、「正解を探しているとき」かもしれません。どこかにある「正解」を見つけたいとき。間違った選択をしたくないとき。損をしたくないとき……。
 
ですが、あゆみさんにとっての「正解」は、あゆみさんの中にしかありません。あゆみさんにとって、「何が」失ったら後悔してしまうほど大切なものなのかは、あゆみさんにしかわかりません。
 
「私はどうしたい?」「私はこれからどんなふうに生きたい?」「私にとって大切なものはなに?」
ぜひ主語を「私」にして、自分の心に聞いてみてください。
 
ただ、「もう傷つきたくない」と心を守っているときって、「どうせ」が口癖になりやすいです。「どうせ無理」「どうせ変わらない」「どうせ……」こんなふうに、心が「どうせ」ベースになっているときは、自分がどう感じ、何を望んでいるのかが見えにくくなってしまったり、自分の想像だけで相手の気持ちはきっとこうだろうと決めてしまって、本来あるはずの可能性が見えなくなってしまうことがあります。
 
だからこそ、まずは自分に寄り添い、いたわりながら、ネガティブもポジティブもどんな気持ちも感じて大丈夫と「感じる心」を取り戻していくこと。「私は人生を自由に楽しんでいい」「自分が望むものに正直になっていい」と、自分への許可を心のベースにしていくこと。
 
「どうせ」ベースではなく、「許可」ベースで、「こうしたい」が見えてきたら、きっとそれが本当に望んでいることです。「本当は、あたたかな関わりを取り戻したい」なのか、「本当は、別々の道へと踏み出してみたい」なのか、あるいはもっと別のことなのか。あゆみさんの「こうしたい」が見えてきたら、ぜひその気持ちを素直に受け止めてみてくださいね。きっとそこから‘私’を主人公にした人生が始まりますから。

 

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著者

古庄由佳さん

古庄由佳(うさこ)

17歳の頃に、徐々に視機能が失われていく難病であると診断される。病気に負けず頑張りたいのに、体も心も人間関係もどんどん壊してしまう。そんな生きづらさから、心のことを学び始める。2012年より、心理カウンセラー、セミナー講師、心理スクール講師として活動。自分との仲直りをテーマに、本来の魅力や才能を解き放っていく心理カウンセリングの他、病気からのサインを受け取り、本来の自分らしい人生を取り戻していく卒病カウンセリングも好評。20年近く住んでいた東京を離れ、2019年に福岡県糸島市に移住。著書は「心屋流 戦わないで生きていく」「心屋流 がんばらないレッスン」(ともにPHP研究所)。

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