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41歳女性のお悩み「中1と小5の二人の息子を怒ってばかりの日々。子どもに申し訳なくて、つらい…」

家族・人間関係

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2023.02.10

心理カウンセラーの古庄由佳です。カウンセリングに来てくださる方には「うさこさん」と呼ばれています。 自分の心に蓋をして、我慢を続けて生きるのはとてもしんどいですよね。最近はスマホやSNSのおかげで情報が溢れてすぎているためか「自分の考え方がおかしいのかも」「私だけじゃないし」とガマンしてしまっていることもあるようです。自分の人生をHappyにするかどうかは自分が決めると信じて、皆さんのお悩みに答えます。

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連載:心理カウンセラーうさこの「心を軽くする考え方」

相談:子どもを怒ってばっかりの私…。

子どもを𠮟る女性出典:stock.adobe.com

(栃木県 ゆうこ 41歳)

中学1年生と、小学5年生の子どもがいます。
二人とも男の子なのですが、宿題はやらない忘れ物は多い、脱いだ服は脱ぎっぱなしで言うことも聞かない。もう毎日がドタバタしてずっと怒っている気がします。

何かしゃべると親子喧嘩になってしまい、今日も怒ってしまったとイライラしつつ悲しい気持ちで1日が終わります。

子育ての本や専門家の方は、よく怒るのはダメ、と言いますが正直私には無理です。
都度頭に来てしまい、感情が抑えられなくなり、口から出てしまいます。

ちなみにママ友は私と反対で凄く優しくできたお母さんです。
このままでは子どもに申し訳なく、私自身もつらくて。どうしたらいいのでしょうか。

あふれ出した感情との向き合い方

回答

怒らないようにと思うのに、また怒ってしまう。そんな自分にイライラしたり、悲しい気持ちになったりしているのですね。
同じように悩んでいるお母さん方、とても多いのではないかと思います。
でも、大丈夫です。自分の感情との向き合い方を知っていけば、ぐんとラクになりますから。
 
「感情」って自然と湧いてくるものですよね。ですから、湧いてくる感情に×(バツ)をつけなくていいんです。というか、×(バツ)をつけて抑え込もうとするほど、あふれてしまうものなんですよね。
 
突然ですが、心の中にバケツがあるところをイメージしてみてください。
ゆうこさんの感情を溜めるためのバケツです。湧いてきた感情に対して、自分の外に「出してはいけないなあ」と思ったものが、ここに溜められていきます。
 
もしバケツの中身(感情)が、もうすでに、満杯の水みたいになみなみと溜まっていたら、どうでしょう?
次のほんの数滴で、あふれ出してしまいますよね。
 
つまり、ゆうこさんからあふれ出している怒りは、心のバケツが満杯になっているサイン。だから、無理やり抑え込もうとするより先に、「なみなみと溜まっている中身」のほうを見ていくことが必要なんです。
 
怒りは「二次感情」と言われています。怒りは表面に表れやすい感情で、実はその奥に、元になっている別の感情(一次感情)があるのです。心配が積み重なって怒りとして爆発する、わかってもらえない悲しみが怒りに変わる。たとえば、そんな感じですね。
 
では、ゆうこさんが溜めてきた一次感情とは、どんなものでしょうか。
そのヒントになるのが、「お子さんのどんなところに怒りたくなるか?=心を揺さぶられるか」です。
そして、もうひとつのヒントとして、お子さんたちに対して言っている言葉は、実は、頭の中で自分が自分に対して言っている言葉であることが多いです。
 
とすると、たとえばもし、子どもたちの「親や大人に言われたことをしない」ところに怒りたくなるとしたら、ご自分に対しても「言われたことをしないのはダメ」と言い聞かせてきた可能性があります。
 
だとしたら、どうして、その禁止ルールがゆうこさんの中に生まれたのでしょうか。
どんな体験をしたから?誰に何を言われたから?
ご自身の子ども時代を思い出しながら、そのきっかけを探してみてください。
その時の気持ちも一緒に思い出してみてください。
 
たとえば、
「言われたことができないと、がっかりされそうで、嫌われそうで、心配だった」とか。
あるいは逆に
「私が言ったことを受け止めてもらえなくて、悲しかった」とか。
 
こんなふうに、本当は思っていたけど出さないようにしてきた感情が、お子さんたちによって刺激されて、あふれ出しているのかもしれません。
 
未消化の感情は、自分で気づいて受け止めていくと、ちゃんと昇華されていきます。
これが、心のバケツを風通しよくしていく方法なのです。
 
お子さんの言動にイライラする時は、無意識のうちに、「幼い頃の自分」をお子さんに重ねていることも多いです。ですから、自分の本当の気持ちに気づけるようになると、きっとお子さんたちのことをまた違った目線で見られるようになるはずです。
 
怒る自分につらくなるのは、本当はやさしくしたいからですよね。ゆうこさんは、もうすでにとっても愛情深いお母さんです。誰かと比べたり、自分を責めたりする必要はありません。
 
怒っても、泣いても、笑っても、はしゃいでも。お子さんたちは、ママが大好きです。感情を味方にしながら、ぜひ愛情あふれる毎日をお過ごしくださいね。

 

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著者

古庄由佳さん

古庄由佳(うさこ)

17歳の頃に、徐々に視機能が失われていく難病であると診断される。病気に負けず頑張りたいのに、体も心も人間関係もどんどん壊してしまう。そんな生きづらさから、心のことを学び始める。2012年より、心理カウンセラー、セミナー講師、心理スクール講師として活動。自分との仲直りをテーマに、本来の魅力や才能を解き放っていく心理カウンセリングの他、病気からのサインを受け取り、本来の自分らしい人生を取り戻していく卒病カウンセリングも好評。20年近く住んでいた東京を離れ、2019年に福岡県糸島市に移住。著書は「心屋流 戦わないで生きていく」「心屋流 がんばらないレッスン」(ともにPHP研究所)。

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