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不登校5年。中1女の子のママからの相談「娘の可能性を広げられていないのではないか。無力感が……。」

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2023.03.10

心理カウンセラーの古庄由佳です。カウンセリングに来てくださる方には「うさこさん」と呼ばれています。 自分の心に蓋をして、我慢を続けて生きるのはとてもしんどいですよね。最近はスマホやSNSのおかげで情報が溢れてすぎているためか「自分の考え方がおかしいのかも」「私だけじゃないし」とガマンしてしまっていることもあるようです。自分の人生をHappyにするかどうかは自分が決めると信じて、皆さんのお悩みに答えます。

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連載:心理カウンセラーうさこの「心を軽くする考え方」

相談:現在中1で不登校の娘。可能性を広げてあげられない無気力感が。

引きこもりの子出典:stock.adobe.com

(愛媛県  なつこ 41歳)

娘が小2の終わり頃から登校しぶり。
小3になると腹痛、嘔吐、眩暈、息切れなどの体調不良により不登校になりました。
そして児童精神科への通院スタート。

小さい頃はみんなを笑わせたり、発表会では大役を任されたり、先生からの信頼も厚く明るくて賑やかだった娘。
小2の時点で勉強につまづき、その後の検査でLD(学習障害)と診断。ASD(自閉症スペクトラム障害)の傾向があることもわかりました。

だんだんと壁が越えられなくなったのかもしれない。適応障害、社交不安障害、強迫性障害、不眠、などで引きこもりに。

さらに小6でリストカット。
現在中1で、時々私と買い物へ行くことはできますが、いつも自室で絵を描いたり動画を観たりして過ごしています。勉強は全くできません。

支援相談、訪問看護、訪問診療、学校での支援会議なども功を成さず。
不登校も5年になり、何も改善しないままで不安です。果たしてこのまま見守るのが正しいのか…。
娘のあらゆる可能性を広げられていない無力感があります。
 

信頼からのメッセージを。

回答

LD(学習障害)とは、「生まれつきの脳の働き方の違いによって、全般的な知的発達には問題がないのに、読む、書く、計算するなど、特定の学習のみに困難が認められる状態」と言われていますね。
 
なつこさんの娘さんも、もしかしたら、読み、書き、計算などを学び始めた頃から学習への不安を感じてこられたのかもしれません。
 
生まれつきの特性ですから、本人の努力ではなんともならない部分が多々あります。でも、そんな自分の特徴を知らない当時の娘さんは、頑張っても頑張っても自分だけわからない……等、心細さや悔しさをたくさん感じてこられたかもしれません。
 
そして、これもまた脳の特性によるASD(自閉症スペクトラム障害)の傾向から、コミュニケーション面では、困りごとをまわりに伝えにくいもどかしさがあったかもしれません。
 
小さい頃は「先生からの信頼も厚く明るくて賑やかだった」とのことですから、まわりの人たちの期待に応えられなくなってしまう悲しさや怖さもあったかもしれません。
 
と、こんなふうに想像してみるだけでも、娘さんは、これまでとってもとっても頑張ってこられたのだろうなあと感じます。
 
そして、きっとなつこさんも同じではないでしょうか。大切な我が子の苦しみを理解してあげたくて、助けてあげたくて、一緒に苦しみ、悩み、いろんな人や場所に助けを求め、とても頑張ってこられたと思います。
 
無力だなんて、とんでもありません。「娘のあらゆる可能性を広げられていない」と悩むのは、きっと娘さんの可能性を誰よりも信じているからこそ。どんな時も自分の可能性を信じてくれるお母さんの存在は、どんなに心強いことでしょうか。
 
「この子は、大丈夫。この子は、素晴らしい」。
試しに、こんなふうに口に出して言ってみていただけませんか。
 
どんな感じがするでしょう。
なつこさんご自身が、ちょっと安心する感覚を感じられるのではないでしょうか。
 
人と違うことは、決して、劣っていることでも欠けていることでもありません。それなのに、もしかしたら娘さんの中には、いつの間にか自分を否定する気持ちが生まれてしまったかもしれません。
 
それはとってもとっても苦しいことだったと思います。
 
でも、たとえ苦手なことやできないことがあったとしても、娘さんは素晴らしい存在です。だから、何かができるようになることで素晴らしさを証明しなくてもいいんです。
 
娘さんのいっぱいある可能性は、きっと「私は私でいいんだな」と自分を認めることができた時に自然と花ひらいていくことと思います。そして娘さんは、今まさにその感覚を自分の中にゆっくりじっくりと育てようとしている最中ではないでしょうか。
 
ですから、「あなたはあなたのままで素晴らしいよ」と信じて、不安からのメッセージよりも、信頼からのメッセージをたくさん届けてあげられること。そのために、娘さんのことも母親である自分のことも信頼して、安心した心でいられること。なつこさんは、そんなことを大切にしてみてください。
 
娘さんが素晴らしさを証明する必要がないのと同じように、なつこさんだって、無力な人なんかではありませんから、何かによって無力でない証明をする必要なんてありません。
 
何かができてもできなくても素晴らしい存在。娘さんも、なつこさんも、すでにそうなのです。娘さんが自分自身を堂々と認めることができるように、なつこさんも、いつも大きな愛でお子さんを見守っているご自分のことを認めてあげてくださいね。
 
「私は私のままでいいんだね」。お二人がそんなふうに心から笑って過ごせる日々を信じて、応援しています。
 

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著者

古庄由佳さん

古庄由佳(うさこ)

17歳の頃に、徐々に視機能が失われていく難病であると診断される。病気に負けず頑張りたいのに、体も心も人間関係もどんどん壊してしまう。そんな生きづらさから、心のことを学び始める。2012年より、心理カウンセラー、セミナー講師、心理スクール講師として活動。自分との仲直りをテーマに、本来の魅力や才能を解き放っていく心理カウンセリングの他、病気からのサインを受け取り、本来の自分らしい人生を取り戻していく卒病カウンセリングも好評。20年近く住んでいた東京を離れ、2019年に福岡県糸島市に移住。著書は「心屋流 戦わないで生きていく」「心屋流 がんばらないレッスン」(ともにPHP研究所)。

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