今の休校期間は「本来の学習」をするチャンス
門川さん:本間正人先生はコーチングや英語学習、社会学、さらにはご自身で提唱されている「学習学(「いかに教えるか」ではなく、「いかに学ぶか」。学習者の視点から学習活動や教育活動を捉える学問)」に至るまで、幅広く活動されています。
本日は、出口の見えない休校期間の中において、子どもとの向き合い方や、家庭における学びの進め方に悩まれている保護者の方に向けたお話をお伺いできればと思っております。
本間先生:よろしくお願いします。まず、最初にお伝えしたいのは、今のこの状況。新型コロナの影響によって様々なことが大きく変化している日々というのは、「本来の学習」をする大チャンスであるということです。
門川さん:「チャンス」ですか。
本間先生:はい。もちろん、感染拡大は恐いし、経済的に大変な思いをされている方もたくさんいるのですが、「学び」という意味においては決して悪いことばかりではないということです。Responsibility(レスポンシビリティ)という英語は「責任」と訳されることも多いですが、語源的には「Respond」つまり「対応する」ための「力」です。あたり前のように通っていた「学校」に通えなくなり、家庭において学習を進める必要が出てきた。それだけではなく、例えば親御さんが在宅勤務になったり、外出の回数も減らさなくてはいけなくなったり。様々な変化の中において、親子でそこに対応する、適応する日々を送っていることそのものが、実はとても大きな「学び」になっているということです。
門川さん:親子で壮大な、長期間の「対応力を高める」ワークショップに参加しているようなイメージですね。
社会は大きく変化している今を「学び」と捉えて
本間先生:新型コロナに限らず、この社会の環境はこの数年で大きく変わってきていました。しかし、学校の教育や教室は、親御さんの世代が受けていた頃の教育とほとんど変わっていません。今までは、変わらない教育を受けた上で、突然変化の激しい社会に飛び出していかなくてはいけなかった。それが今、半ば無理やりにではあるんですが、皆が一時的にせよ変化への対応を求められている。この自粛期間をすごすという経験自体が「学び」であるという視点はもっておいた方が良いと思います。
門川さん:わが家も、小学生と保育園の息子と仕事しながら過ごす中で、まさに七転八倒の日々なのですが(笑)それら全てが経験であり学びであると思えると確かに気持ちの部分で楽になる気がします。
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