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姉と気が合わない…でもわが子を溺愛してくれています。距離感はどうすれば? #心理カウンセラーうさこの心を軽くする考え方

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連載:心理カウンセラーうさこの「心を軽くする考え方」

うさこさんからのアドバイス:どうしても受け入れたくない価値観はなに?

たとえ血のつながった家族だって、相性が合わないことはありますよね。姉妹だから仲良くしなくては……と思いすぎる必要はないかなと思います。

ただ、ご相談文を読んで、ちょっとさみしい気持ちにもなりました。
「私の大切なものを壊さないで」
そんなミナミさんの心の声が聞こえてくるような気がしたからです。

これまで接点がほとんどなかった姉妹を、大切な大切な娘さんがつないでくれたのですよね。そこにはミナミさんの人生にとって必要な学びがあるのかもしれません。せっかくですから、そんな視点でこの出来事を見てみましょう。

ミナミさんは、お姉さんと「価値観が合わない」とおっしゃっていますね。では、価値観とは何でしょうか?

「価値観が合わない」を分解してみると

「価値観」とは、「大切にしている考え方」のことだと私は解釈しています。

どんな考えを大切にして生きているかは、人それぞれ違うもの。実は、この世界に「自分と価値観が全く同じ」という人は、一人も存在しないんですよね。

価値観が違う人同士が、「私はこの考え方を大切にしている。あなたはそっちの考えを大切にしているんだね」そう認め合えるとき、関係性は友好モード=一緒にいることが楽しくなっていきます。

一方で、「私が大切しているこの考えが正しいの。あなたの考えは間違っているよ」そう否定し合うとき、関係性は戦いモード=一緒にいることが苦しくなっていきます。

つまり、どんな価値観を持っていても、認め合うことができれば、一緒にいて楽しい関係性を作っていくことができる。価値観は、合わせるものではなく、広げていくものなんです。

とはいえ、どうしても認められない、受け入れられないときってありますよね。
ミナミさんも今、お姉さんが大切にしている価値観が理解できなくて、まるで自分が大切にしている考え方や家族を壊されるような気がして、ツライのはないでしょうか?

そんな時は、「どうしてこの考え方を大切に思うのか?」をお互いにシェアし合ってみることをオススメします。

人ってね、「どうして」がわかると安心します。考え方の背景にある理由や想いがわからないから、まるで自分が大切にしているものを壊されるような気がして不安になってしまうのですよね。

具体的にお二人がどんな価値観をお持ちかを推測してみるとしたら、下記の部分に表れていそうです。

>娘になんでもかんでも欲しがるものを与えたり「明日も保育園かわいそう」などと言って、私が娘にかけたくない言葉などを娘に声掛けするのもすごくイヤです。

ということはミナミさんは、「なんでも欲しがるものを与えない」という考えや「明日も保育園かわいそうという言葉はかけたくない」との考えをお持ちなんですね。この考えを大切にしているのは、どんな理由からでしょうか?

そこには、ミナミさんなりの娘さんに対する愛があるはずです。その愛をお姉さんに伝えてみてはいかがでしょうか?

一方で、お姉さんは、「欲しがるものを与えてあげたい」という考えや「明日も幼稚園でかわいそうだねと言葉をかけてあげたい」という考えを持っている様子。そこには、お姉さんなりのどんな理由、どんな愛があるのでしょうか?
「教えて」とお願いして、聞いてみてはいかがでしょうか?

このすり合わせをしていくことを、「心をひらいてコミュニケーションする」と言います。

大丈夫。相手の考えの背景にあるものがわかると、「私の大切なものを壊そうとしているわけではなかったんだな」と安心できるはず。
そして、相手の価値観も認めた上で、「私はこんな考えを大切に子育てをしていきたいから協力をしてほしい」とお願いしてみてはいかがでしょうか。

価値観が合わない人を排除し続ける人生はさみしいです。
どんな結果になったとしても、「価値観を広げる」「その奥にある愛を見る」そんなチャレンジをしてみることで、今まで見えなかったものが見えてくるはず。もっともっと自由に楽しく生きられるようにと娘さんがくれたチャンスかもしれないと思って、この機会を活かしてみてくださいね。

 

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著者

古庄由佳さん

古庄由佳(うさこ)

17歳の頃に、徐々に視機能が失われていく難病であると診断される。病気に負けず頑張りたいのに、体も心も人間関係もどんどん壊してしまう。そんな生きづらさから、心のことを学び始める。2012年より、心理カウンセラー、セミナー講師、心理スクール講師として活動。自分との仲直りをテーマに、本来の魅力や才能を解き放っていく心理カウンセリングの他、病気からのサインを受け取り、本来の自分らしい人生を取り戻していく卒病カウンセリングも好評。20年近く住んでいた東京を離れ、2019年に福岡県糸島市に移住。著書は「心屋流 戦わないで生きていく」「心屋流 がんばらないレッスン」(ともにPHP研究所)。

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