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34歳「進行性の病気の彼。結婚したいけど損得勘定で考えてしまい苦しいです…。」#心理カウンセラーうさこの心を軽くする考え方

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 進行性の病気の彼。結婚したいけど損得勘定で考えてしまい苦しい
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連載:心理カウンセラーうさこの「心を軽くする考え方」

「結婚って何が一番大切なのでしょうか」

回答

「結婚って何が一番大切なのでしょうか」
きっとこの答えは、お一人お一人違いますよね。違っていいんです。

結婚において一番大切だと思うものが、「大好きな人と一緒にいること」の人もいれば、「共に生活を送れる人がいること」の人もいるでしょうし、「大家族を作ること」という人や「経済力がとにかく第一」という人もいるかもしれません。これを大切にするのが素晴らしくて、これを大切にするのはダメだ、そんなジャッジも必要ないと思います。

さくらさんにとって一番大切にしたいものは、外側ではなく、ご自身の内側にあります。
ぜひ心の中を見つめてみてください。そしてそれを堂々と大切にしましょう。

もし見つけにくかったら、たとえば50年後、84歳になったさくらさんを想像してみましょう。シワが増えたかわいいおばあちゃんになったさくらさんが「と−―っても幸せに生きてきたなあ」と大満足しています。その未来の自分に「何を大切に生きてきたから、そんなに人生に満足しているの?」と聞いてみてください。どんな答えが返ってくるでしょうか。

そしてもうひとつ、ご相談を読んで、私から個人的に「大切にしてほしいな」と思ったことをお伝えしてみますね。

それは、「一人で抱え込まないこと」です。

悩む女性出典:www.canva.com

実は私も、進行性の病気を抱えて生きています。少しずつ視機能が低下していく目の難病です。さくらさんの彼がどんなご病気かはわかりませんが、「進行性の病気」という点では同じですね。

そんな私は、38歳の時に再婚をして、今は夫婦2人暮らしをしています。実を言うと、再婚の前、すっごく迷いました。この人と結婚すればとっても楽しくて幸せだろうと思うけれど、私の病気のために夫の人生を大変にしてしまうのではないか、夫の可能性を制限してしまうのではないか、そうなったら私が後悔するんじゃないか……。そんなことを考えたからです。

だから当時の私は、迷っていることをそのまんま夫に話しました。そこからお互いの考えをシェアしあっていくうちに、夫が結婚に求めることは「自分が選んだ人との人生を面白がること」なんだと知り、それならば進行性の病気によって生活が変わっていくことさえも一緒に楽しんでいけるかもしれないと思い、再婚を決めたのです。

きっとさくらさんの彼も、さくらさんの幸せを心から望んでいるはず。今不安に思っていることをそのまま打ち明けてみましょう。「私はあなたと一緒にいたいと思っている。でも、もしもいつかあなたが働けなくなるようなことがあったら、経済的にも精神的にもあなたやあなたとの子どものことを一人で支えていけるのか心配なの」そんなふうに。

もしかしたら、彼が傷ついてしまうのでは……。と打ち明けにくく感じるかもしれませんが、きっと大丈夫。私が彼の立場なら、打ち明けてほしいです。一人で抱え込まないでほしい。彼だってきっと、たとえどんなに病気が進行したとしても、さくらさん一人にしんどい思いをさせるような結婚生活をしたいとは望んでいないと思いますから。

結婚は、二人で未来を創っていくものです。
さくらさんが大切にしたいことと、彼が大切にしたいことをお互いにシェアしあって、お互いの大切なことを重ね合わせていくことが難しそうだと感じれば取りやめてもいいですし、もし一緒にやっていきたいなと思えば、<結婚とは?>なんていう既成概念には囚われず、お二人にぴったりの結婚生活を創り上げていってください。

二人で同じ未来を見て歩いていけること。もしかしたら、それが一番大切なことかもしれませんね。
 

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著者

古庄由佳さん

古庄由佳(うさこ)

17歳の頃に、徐々に視機能が失われていく難病であると診断される。病気に負けず頑張りたいのに、体も心も人間関係もどんどん壊してしまう。そんな生きづらさから、心のことを学び始める。2012年より、心理カウンセラー、セミナー講師、心理スクール講師として活動。自分との仲直りをテーマに、本来の魅力や才能を解き放っていく心理カウンセリングの他、病気からのサインを受け取り、本来の自分らしい人生を取り戻していく卒病カウンセリングも好評。20年近く住んでいた東京を離れ、2019年に福岡県糸島市に移住。著書は「心屋流 戦わないで生きていく」「心屋流 がんばらないレッスン」(ともにPHP研究所)。

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