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48歳女性からのお悩み相談「身体に障害があり退職したのですが、友人の心無い言葉がツラいです。」

カルチャー

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2022.05.13

心理カウンセラーの古庄由佳です。カウンセリングに来てくださる方には「うさこさん」と呼ばれています。 自分の心に蓋をして、我慢を続けて生きるのはとてもしんどいですよね。最近はスマホやSNSのおかげで情報が溢れてすぎているためか「自分の考え方がおかしいのかも」「私だけじゃないし」とガマンしてしまっていることもあるようです。自分の人生をHappyにするかどうかは自分が決めると信じて、皆さんのお悩みに答えます。

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連載:心理カウンセラーうさこの「心を軽くする考え方」

相談:身体に障害があり退職。友人の心無い言葉がツラい…。

悲しむ女性出典:stock.adobe.com

(愛知県 48歳 むーみん)

友人、知人関係で悩んでいます。
私には生まれながらに身体の障害があります。それだけなら何とかなっていたのですが、大人になり、新たに病気になり今は車椅子で生活しています。10年程前から原因不明の痛みに悩まされ始めました。

数年前病名はわかって、治療はしてますが本当に体調悪いときは寝たきりで、障害が悪化して握力低下等が新たに出てしまったこと。立つこともできなくなったため、障害者雇用のお仕事を1年前にやめました。

その後の友人、知人関係に悩んでます。
「障害が悪化してしまったからこそ、なんで仕事を辞めてしまったのか?今はコロナもあり再就職も厳しいのに。体調が落ち着けば仕事できるなら、早く再就職するために動き出した方が良いよ。」
「50代になったら障害者雇用でも困難になるだろうから今のうちに頑張ろう」と言います。

障害がある友人もそうでない友人も似たような感じです。
確かに、今のご時世に自分から退職したのはもったいなかったかも知れません。
ただ、医療麻薬を使いながら仕事と通院と日常生活維持は厳しくなりました。

体調悪いときはほぼ寝たきりなので、仕事の休みが増えて行くのも申し訳なくて。
話は前後しますが知人の中には「親はまだ仕事してるのに子供が無職なんて。親の収入を当てにしているわけではないよね?」等と言われる方もいて辛くなりました。
母は、良い職場に恵まれて仕事してます。私はどうやって気持ちを切り替えたら良いでしょうか?

また同じようなことを言われた場合のどのような対処法がありますか?よろしくお願いいたします。
 

まずは、どんな時も自分の味方でいてほしい。

回答

むーみんさん、ご相談ありがとうございます。
お体、とってもつらそうですね。そして、障害や病気の本当のつらさはご本人にしかわからないものです。ご友人やまわりの人たちに理解してもらえないように感じているのだとしたら、それもまたとってもつらいことですよね。
 
私が何よりもまずお伝えしたくなったことは、どんな時も自分の味方でいてくださいね、ということです。
 
ご友人方との関係で悩んでいらっしゃるのは、主に、お仕事を辞めたことや今お仕事をされていないことについて反対の意見を言われてしまう、ということについてのようです。でもそれは、むーみんさんが、自分の体調を考慮しながら、今の自分にとって一番いい選択だと判断して決められたことだと思います。どうぞ自分の選択を肯定してあげてくださいね。
 
さて。ご友人方の言葉に関してですが、ご相談文に書いてくださった言葉を聞くと、なんと責められているように感じてしまいますか?どんな人だと言われているように感じてしまいますか?
 
たとえば、「働かないのはダメだ」「体調を言い訳にするなんて」「このままじゃ一人で生きていけなくなるよ……」などなど、むーみんさんにとって、ものすごくつらい言葉を言われているような気がしてしまうから、悩まれているのではないでしょうか?
 
で。ここからが大切なポイントです。
 
「〇〇と言われているような気がする」それを見つけたら、自分が自分に対して、そんなふうに思っている部分が心のどこかにないかな?と、探してみてください。
 
誰かに言われてつらくなってしまう言葉は、自分が自分に対して心の中で言っている言葉であることも多いんです。
 
人は、誰もが、自分が当たり前に信じていることを前提にしながら、ものごとを考えたり、判断したり、言葉にしたりしています。私は、ご友人方の言葉をお読みして、「自分一人の力で生きていかなくてはいけない」と信じている方なんだろうなあと感じました。だからこそ、むーみんさんを傷つけたり責めたりするつもりはなく、心配や応援の気持ちでアドバイスをしてくれているのかもしれませんね。
 
そして、もしかしたら、むーみんさんも同じように「本当は一人で生きていかなくてはいけないのに」と感じてしまって、今の自分に対して100%味方でいることができないから、心を痛めてしまうのではないでしょうか。
 
でも、人生にはいろんなことがあります。「自分一人の力で生きていかなくてはいけない」と信じていたら、それができなくなった時、本当に苦しいですよね。そして、誰一人、一人で生きている人はいないからこそ、私たちのまわりには、支え合うためのソーシャルサポートがたくさん用意されています。もちろん、お母さんが助けてくれるなら、それだっていいと思います。助けられて生きることは、恥ずかしいことでも、責められることでもありません。
 
ご友人方が厳しいことを言っているなあと感じたら、「私はそう信じて生きているよ」という自己紹介なんだなあと思ってみてください。そしてむーみんさんは、どんな自分にも「いいんだよ」とマルをあげて、堂々と自分の味方でいてあげてください。きっと少しずつ状況が変わってくるのではと思います。
 
自分にやさしくすることは、きっと体に対してもいい影響になるはずです。むーみんさんのお身体がどんどんラクになりますように。応援しています。

 

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著者

古庄由佳さん

古庄由佳(うさこ)

17歳の頃に、徐々に視機能が失われていく難病であると診断される。病気に負けず頑張りたいのに、体も心も人間関係もどんどん壊してしまう。そんな生きづらさから、心のことを学び始める。2012年より、心理カウンセラー、セミナー講師、心理スクール講師として活動。自分との仲直りをテーマに、本来の魅力や才能を解き放っていく心理カウンセリングの他、病気からのサインを受け取り、本来の自分らしい人生を取り戻していく卒病カウンセリングも好評。20年近く住んでいた東京を離れ、2019年に福岡県糸島市に移住。著書は「心屋流 戦わないで生きていく」「心屋流 がんばらないレッスン」(ともにPHP研究所)。

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